第75話 脇役は寝坊をする

 リリアナは冷静になり、恥ずかしさからか顔を赤らめてそっぽを向く。

 照れてるの可愛いかよ!


「リリアナ?」

「……………うるさいです」

「リリアナ?」

「…………………………」


 私はリリアナの尊さに死にそうになる。

 何この子、可愛いすぎる。


「セレア様は意地悪です」

「リリアナが顔を見せてくれないからなぁ〜」

「………そういうところですよ」

「私には分からないなぁ」


 私はリリアナを弄るのが楽しくなっていた。

 リリアナの反応が可愛いのが悪い。


 私がリリアナを弄ってる間もリリアナは私の方を向かなかった。

 リリアナは私に顔を見られるのが嫌なようだ。


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 少しすると、リリアナは落ち着き私の方を向く。

 まだ恥ずかしいのか顔はすこしだけ火照っていた。


「…セレア様が私の事を大好きなのは分かりました。ですが、私を弄るのはやめてください」

「わかったよ。それと、また目が腫れてるから冷やそうか」

「うぅ…はしたない所を見せてしまいました」

「大丈夫だよ。メイドを呼んでくるね」


 私はメイドを呼んで、リリアナに目を冷やして休むよう伝えた。

 リリアナは部屋に戻り、私は風呂に入る事にした。


 風呂から出て、私は明日に備えて寝ることにする。


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 朝日が差し込み眩しくなり起き上がる。


「うーん。今日はよく寝たな」


 時計で時刻を見ると、八時三十分頃だった。

 大遅刻している!?


 私は急いで、準備をして鏡に入ると目の前には、私を見て心配する生徒会組がいた。


「………セレアさん何があったんですか?」

「ただの寝坊です…。ハイ……」

「お前は無理しすぎなんだよ。普段の無茶が体に響いたんだろ」

「早く寝て、沢山食べないと駄目なんですよぉ。全く、何してるんですかぁ」


 昨日は早く寝たのになぁ…。何でこうなるのか。

 私は遅刻を報告しに行き、先生に心配される。


 私が遅刻するってそんなにおかしいことなのか?

 そんな事を思う中、不安なことがあった。


 リリアナはどうなったんだ?リリアナは先に向かっているんだろうか。

 気になった為、一年生の教室に向かうことにする。


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 教室に向かうと、リリアナが教室で授業を受けていた。

 良かった。先に行っていたんだな。


 私は安堵しながら、一年生の教室から離れようとすると丁度授業が終わってしまう。

 おっと〜?いいタイミングだな、おい。


 授業が終わるという事は勿論、リリアナが教室から出てくるという事で、私はリリアナに見つかり捕まってしまい庭園に向かうことになった。


 あぁ〜…どうしてこうなったんだよ!


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 庭園に着くと、お馴染みの膝枕をすることになった。

 私は何一つ抵抗しなかった。


 まぁ、推しからの膝枕だし…拒否する理由がないよね。恥ずかしいから本当はやめて欲しいけど欲には勝てない。


「セレア様、今日は寝坊してましたが……何があったんですか?また遅く寝たんですか?」

「早めに寝たよ。風呂から出たら直ぐに寝るようにしたからね」

「私がセレア様の部屋に行った時は、セレア様がぐっすり寝ていて驚きましたよ。セレア様の寝顔はとてもお可愛らしかったですが…」

「頼む忘れてくれ。寝坊したことも含めて」

「嫌ですよ?私は絶対に忘れません」

「知ってた」


 うん、そうだよな。知ってた、知ってたよ。

 私はリリアナに膝枕されながら絶望を感じる。


 リリアナの膝枕のせいか、またもや眠くなる。


「セレア様?眠くなったんですか?」

「次の……時間は…、出ないと行けない授業………だから、」

「起こしますので寝てていいですよ♡」


 リリアナの言葉に、私はまたもやぐっすり寝てしまう。

 今までの疲労が一気に来たのかなぁ。


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 私は自分の膝枕で寝てしまったセレア様の寝顔を見て癒やされる。

 はぁぁ〜。可愛すぎる♡


 セレア様の匂いがし、セレア様のサラサラな髪の毛が自分の膝に触れている。

 うへっ、うへへへ。


 セレア様の頭を撫でていると、何故かセレア様にキスしたいという欲が出てきてしまう。

 私はそっとセレア様の頬にキスをする。


 本来、婚約者じゃない相手にキスはしてはいけないのだが……まぁ、未来の夫ですし別にいいですよね?


 セレア様が私の事をあんなに好きだとは、思っていませんでした。

 嬉しいのは山々ですが、あの時のセレア様の真剣な表情…うへへへ。


 セレア様は可愛らしさも格好良さも持つ完璧な人物……。頭もいいし、優しいし、顔も良い…そしてドジな所も持つ、こんな人が私の夫になる…。


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 一時間後、私はリリアナに起こされる。


「セレア様、時間ですよ。起きてください」

「ん?ありがとう」


 私は起き上がり、授業に向かおうとする。

 リリアナは私に手を振り、私は教室に向かう事にする。


 次は得意分野の日本語…じゃないニーシャ語か。


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 私は教室にてニーシャ語を直ぐに解読して、勿論一緒に授業を受けているオリカさんとリオンに教えて授業を終える。


 二人は本当にニーシャ語が苦手なんだなぁ。

 これのせいか、教えるのが上手くなってきたよ。

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