第3話:危機感ゼロなお姫様。

俺がいない間、姫をどうしよう・・・?

そうだ姉ちゃん・・・姉ちゃんに来てもらうかな?・・・どうせ暇してる

だろうし・・・。

そうしよう。


で俺はすぐに姉ちゃんに連絡して事情を説明して、平日俺が大学とバイト

から帰るまで姫の面倒みてやってくれるよう頼んだ。


最初、姉ちゃんは弟は何をアホなことを言ってるんだって思ったらしい。

そこで姫の声を姉ちゃんに聞かせた。


「やほほい・・・わらわは胡桃姫じゃ・・・苦しゅうないぞ」


「え?なになに・・・誰?今の?・・・姫って?・・・まじで?」

「幸太郎、あんた一人暮らしをいいことに女の子連れ込んで何やってんのよ」


「そんなことしねえよ、だからさ、とにかく明日来て、見れば分かるから・・・

なんでもいいから一度来てくれよ」


「分かった・・・」


ってことでとりあえず話をつけた。


「あのさ、姫・・・それはいいんだけど、一つ質問」


「なんじゃ?」


「俺の時代に来たのはいいとして、どうやって自分の時代に帰るつもり?」


「そのようなことまで考えてなかったわ、あはは」


「笑ってる場合かよ」


「まあ、よいではないか・・・時代が違っても、わらわは変わらんし、わらわ

一人くらい食べさせていけるであろう?、幸太郎」


「まあ、当然俺がお姫様を食わせることになるわなあ?」

「まったく、人任せ・・・危機感ゼロだな・・・胡桃ちゃんは・・・ 」


「胡桃ちゃん?」


「そうだよ俺の時代じゃ女の子はそう呼ぶの」

「俺の時代に来たんだから、俺の時代のルール、環境に慣れること」


「そうか・・・朱に交われば赤くなる・・・長いものには巻かれろ・・・

郷に入っては郷に従え・・・」

「幸太郎の家にあっては、幸太郎に従え・・・」


「って言うからの、ん〜〜まあ、それもよかろう・・・」


「最後のたとえは、今、作っただろ?・・・案外頭の回転早いんだな」


「じゃ〜パスタ食った口直しにコーヒーでも飲む?」


「コーヒー?・・・なんじゃそれ?」


「飲み物だよ」


「わらわは基本、緑茶しか飲まんが・・・」


「緑茶なんてないよ・・俺んちは基本、コーヒーかコーラかスポーツドリンク

にビールしかないから・・・あ、カル◯スウォーターあるわ」


「この時代は、そんなに飲み物が豊富なのか?」


「スーパーに行くと、よりどりみどりだよ」」


「スーパー?・・・なんじゃそれ?」


「そうだな・・・八百屋のでっかいの・・・」

「お〜八百屋か・・・庶民的じゃのう」


「この調子なら、まじで質問攻めだな・・・まじで先が思いやられるかも」

「ところでさ・・・胡桃ちゃん・・・君、ずっとその格好でいるつもり」


「なにかいけないか?」


「その格好は目立ちすぎだろ・・・正月とか成人式とかお祭りとかなら

大丈夫と思うけど・・・普段、その格好はな・・・」


「わらわにどうしろと?」

「これがわらわが姫だと言う証じゃ・・・他のものとは違うのじゃ」

「これで庶民と差別化しとるのじゃ」


「ああ、まあいいけど・・・この時代でも普通に、着物着てる女性も

いないこともないからな・・・」


つづく。



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