「スティルウォーター」 2023年10月20日
「スティルウォーター」 2023年10月20日
休日なのでステーキを焼いた。ネットでいつも買う牛肩ロース(英語ではチャック・アイ)は厚さが1・5センチ~3センチまでバラつきがあって、今回は最も薄い部類の1・5センチの肉だった。薄いと固くてもあまり問題もなく漬け込み液を使うと旨味が染み出してしまう感じがしたのでやめた。その代わりとして肉を室温に戻すという方法を史上初に採用した。室温に戻すと、火が入り過ぎそうで長年嫌悪し、避けていたのだが、AIに聞いてみたところ室温に戻すと肉汁が焼いている最中に外部に流出しにくくなることが判明した。外部だけ温度が上がってタンパク質が固まって、内部の温度が低い状態だと水分が外に流出しやすいそうだ。そんなこんなで今回は一時間半かけて肉を常温に戻した。だが、これは日本語として正確ではない。なぜなら「室温に戻す」には実際温度を測ってみると、2~3時間かかるからである。これを正確な日本語に書き換えるとすれば以下のようになる。私は室温を利用して肉の内部温度を一時間半かけて若干上げた。冷たいまま焼いてた頃より焼く時間を三十秒短くしてみた。肉を焼く時は環境要因でいろいろ変わるので最初決めた時間にしばられず、肉の状況を見て、調理方法は調整した方がいいらしい。一流のシェフは焼いた肉の表面を一瞬見ただけで焼き加減が分かるらしい。私も見た感じでちょっと焼く時間を最初の計画(冷たいまま焼く時より一分短く焼く)からちょっと長くしてみた。切って食べてみると、室温を利用して内部温度を若干上げたことによって、調理時の水分流出を防止した効果があって、いつもパサついてた薄いとこでもしっとりしていて、厚いとこも温度が上がり切らないことから固くなりもせず全体的に絶妙な感じになっていた。やはり、室温を利用して温度を若干上げる効果は絶大である感じがしたので、きっとそうなんだろう。筋切や漬け込みに頼らず、温度管理と焼き加減で肉を柔らかく仕上げるのは難易度が高い分、やってて楽しい。
ステーキを食った後は飲み屋に行こうと思っていたが、疲れてたのでやめ、プリッツをつまみながらハイボールを飲んで、ネットフリックスでマット・デイモン主演「スティルウォーター」を見た。衝撃的に面白かった。土台としては探偵小説的な話だが、そこに出会いと恋愛要素をからめて切ない結末の持っていく話だった。南仏のマルセイユで典型的なアメリカ人が悪戦苦闘する姿は「フレンチコネクション2」のジーン・ハックマンを彷彿とさせた。「フレンチコネクション2」の時はニューヨーク出身のシティボーイみたいな感じだったが、今回はオクラホマ出身で(きっと)共和党支持者の労働者階級の白人(食事の前は決して祈りを欠かさない)みたいなのが主人公で都会的なフランス人から、「銃は持ってるのか?」「ドナルド・トランプに投票したのか?」と典型的な保守的アメリカ人をおちょくるセリフがいろいろ飛び出してきてちょっと面白かった。
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