第8話 氷――医療用ヘロインに中毒してしまったらしい。

「氷」 (ちくま文庫 か 67-1)

アンナ カヴァン (著), Anna Kavan (原名), 山田 和子 (翻訳)

筑摩書房 (2015/3/10)



神経病んでる女性作家ナンバーワン。

ヘロインまでやってる女性作家は、少ないんじゃないですかね。


でもそのわりに、平凡な会社勤め(インテリア会社でしたっけ?)もしていたという、よくわからない人。


で、「氷」の話です。


凍りついていく世界で、主人公と長官が、銀髪の少女をめぐって恋の鞘当てをするというストーリーがあるんですが……。


この主人公は男性ですが、最初、私は女性として読んでいたんですよね。

「きっとこの女性はレズビアンで、長官と少女の奪い合いをしてるんだろう」と。


今の時代、その設定でもいいんじゃないですか? いや、そのほうがずっとよくないですか? 


氷におおわれる終末世界で、美女が銀髪美少女に執着して! 追いつめて! 捕まえて! サディスティックにいたぶるんです!


サイコ―ですよねえぇ~!!



これを書いてて思ったんですけど、私は病んでる女性作家がつむぎだす幻想小説が大好きですね。

そんなの好きだなんて、「獣人大好き~」っていうのより、だいぶん根深い何かがあるような気がしますけど。

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