久しぶりの登校

 北部に行っていた影響でかなり久しぶりの登校となった僕は新しく入学させた神楽と虐められて不登校になって塞ぎこんでいた桜花を連れて教室へと踏み入れた。


「やいのやい!落ち目の九条家が更に平民の女を連れ込んできたぞ。その厚かましさ、恥ずかしくないのか?それまでして女を囲んでおきたいか?」


 そんな僕に対して絡んでくるのはもはや安心感を与えてくれる輝夜である。


「……処しますか?」


 そして、そんな輝夜には今にも殺しそうな視線を向けている神楽が応対する。


「はっ!……この程度で動じると思ったら大間違いである」


 だが、それでも輝夜は負けることなく自我を出してくる。


「言っておくが、神楽はただの平民の出ではあるが、今や北部の盟主であり、蝦夷と向かいあう辺境伯に朝廷より命じられている女傑であるからな?あまり余計なことは告げぬ方が吉であるぞ?」


「ここは教会の傘下たる神学校であるぞ!神を信じぬ者がいても困るというものだ」


 だが、そんな僕の言葉にも負けずに輝夜は負けじと挑んでくる。


「私は蓮夜様の道具です。蓮夜様が信じる神がいるのであれば道具たる私がそれを信じずにどうすると言うのですか?」


 それに対して神楽があっけらかんと道具宣言をしながら告げる。


「……」


 とうとう返答する言葉に窮した輝夜は口を閉ざす。


「とりあえず今日のところは下がっているといい。限界だろう」


「……ふんっ!今日のところはここらで許してやろう」


 それに対する僕の言葉を受けて、輝夜は頑として上からの視線を隠そうともせずに堂々たる態度で、今日も勝利したかのような仕草で自分の席へと向かっていく。


「……蓮夜様。毎回あのようなものに絡まれているのですか?桜花の方も虐められたと話しておりましたが」


「桜花を虐めたやつと僕に絡んでくるのはまた別だろう。僕に表立って絡んでくるのはあの輝夜だけである……だが、あの男は少々面白い故に放置でも構わん。別に実害があるわけでもないしな」


 あんな輝夜ではあるが、別にあれが居たことによる実害は特にない。

 別に放置していても一切構わないだろう。


「よろしいので?」


「二度も言わせるのか?」


「出過ぎた真似を失礼いたしました」


「構わん。さて、そろそろHRも始まる僕たちも席に着くぞ。あれに構っている暇もない」


 だが、常に輝夜のことを話しているほどの価値はない。

 さっさと話を切り上げてイエスマンである神楽と常におどおどとしている陰キャ精神を拗らせる桜花を連れて自分の席へと向かうのだった。




 あとがき

 

 自分の近況ノートを読んでくれている人がいればわかると思いますが、実はちょうど一週間前に誕生日を迎えていました。

 

 そんな僕は己の誕生日を記念してギフトをくれたサポーター様だけが読める特別近況ノートに特別SSを上げる予定でした!

 ですが、えぇ。あげられませんでした。まったく誕生日と絡めた話が思い浮かびませんでした……。

 

 そして、一週間経った今でも何も思いつかなかった僕はもう誕生日を絡めるのを諦めました。

 ということで誕生日は関係ない特別SSをようやくになって投稿しました!

 

 特別SSの内容としては本作の最強主人公である蓮夜君が、別作品『世界最強の魔導士は勇者パーティーから追放されたい!~え?イケメン集団の集まりだと思っていた勇者パーティーが実は全員女で、しかもヤンデレ化している?何それ知らないんだけど~』の主人公と戦うような内容となっております。

 サンプルもございますので、興味がございましたらギフトと共に読んでいただけると幸いです。


 遅めの誕生日プレゼント感覚でレビューやらギフトを頂けると嬉しいです。

 おめでとうコメントでも泣いて喜びます。


 とうとう18歳となり、成人を迎えた僕は今後とも更に身を引き締めて執筆活動を続けていきますので、応援のほどをよろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る