転生王女の錬金術 ~スキルを授かったらなぜか前世の記憶を思い出したので、錬金術を使ったものづくりチートで最強の国にしようと思います~

しゅん

プロローグ 前世の記憶と『錬金術』


「お父様! ついに私のスキルが分かりますのね!」


「あぁ、アリシアも今日で十歳になったからな。神様からスキルを送られるぞ」


「嬉しいですわ! どんなのかしら? 兄上たちみたいな増やしたり、直したりするのもいいですわぁ~」


「もしかしたら、魔法使いになれるのかもしれないぞ?」


「えぇ~! いやです! 私も何かを作れる人になりたいですわ!」


 ここはとある異世界のアルバーン大陸東端にある小国の一つ、サンライト王国。

 人呼んで職人の国。


 その国にある最も大きな教会の大聖堂に、元気の良い一人の少女と中年の男性が歩いている。


 少女の名前はアリシア=サンライト。


 腰まで靡かせた煌めく銀髪に、海のように透き通った紺碧の瞳を持つ美少女である。


 この世界で最高峰に美しいドレスを身に着け、頭にちょこんとティアラを乗せた彼女はサンライト王国の第一王女だ。


 中年の男性はこの国の国王、ライデン=サンライト。


 今日、この日はアリシア王女の記念すべき十歳の誕生日だった。


 この世界で十歳を迎えるということはとても大事な意味を持つ。なぜなら神様から祝福としてスキルを与えられるからだ。


 スキルというのは身分や出自を問わずこの世界の人に必ず一つ与えられるもので、その人に様々な能力や恩恵をもたらす特別な力を差す。


 スキルには多くの種類がある。魔法が使えるようになる魔法系スキルや、剣や槍などの達人になれる武術系スキル、そして色々なものを作り出すことができる生産系スキル。


 職人の国サンライト王国では昔から生産系スキルを授けられる者が多く、その者たちによって毎日なにか新しいものや美しいもの、便利なものが生み出されている。


 そんな国の王女に生まれたアリシアも、幼い頃から職人の風に当てられた影響からか生産系スキルに憧れているらしい。


 しかし与えられるスキルはそれこそ神のみぞ知る。ライデンは苦笑しながら「望みのものがもらえるといいな」とアイリスの頭を撫でた。


 そうして二人は大聖堂の中心、祝福の間にたどり着く。


 祝福の間は、かつての王族がスキルを使って作られたと言われており、どんな角度からでも陽の光が入るように設計されていて、荘厳で神秘的な雰囲気に満ちている。


「ライデン陛下、アリシア王女殿下、お待ちしておりました」


 そこへ入って来た二人に、この大聖堂に務める最高司祭の教皇が声をかけた。


「さっそくですが、祝福の儀を始めましょう」


「うむ、アリシア行ってきなさい」


「はい! お父様!」


 ライデンが背中を押すと、アリシアは弾むような足取りで祝福の間の中心へ。


「アリシア王女殿下、床に描かれた模様の前で神に祈りを捧げてください」


 アリシアは言われた通り片膝をつき手を合わせると、ギュッと目を瞑って祈る。


(神様! たくさんすごいものを作れる力をください!)


 アリシアは目を瞑っているためわからないが、アリシアを見守るライデンや教皇からはアリシアの頭上から光の粒が降り注いでる姿がよく見えた。


 しばらくすると、アリシアの頭の中に自然とスキルの名前が浮かび上がる。


(『錬金術アルケミー』‥‥‥?)


 その瞬間だった。


 アリシアの脳裏に知らない世界の知らない自分の記憶が蘇ってくる。


(えっ、えっ‥‥‥? なんですわこれ? ガン〇ム? エヴァン〇リオン?)


 まるでパズルのピースが嵌っていくような感覚。欠けていたものが埋まるように、何の違和感もなく記憶が補完されていく。


 だけど今のアリシアにとって、それはほとんど未知の産物でしかなかった。


 アスファルトで設備された道路。その上を走る自動車に、ズラーっと並んだ高層ビル。空には飛行機が飛んでいて、海には城みたいな船が浮いている。


(これが作れますの‥‥‥?)


 今すぐは無理かもしれない。けれどこの前世の知識と『錬金術』のスキルがあれば?


 気が付けばアリシアの幼くも美しい顔には満面の笑みが浮かんでいた。職人の国の血が騒いで、胸の高まりが止まらない。


「アリシア? どうだ? ‥‥‥アリシア?」


「お父様! 私、この国を世界一の最強の国にしてみせますわ!」


「はい‥‥‥?」


 これは前世の記憶を思い出した王女様が『錬金術』のスキルを使い、小さな国を大陸有数の国家に変えていく、そんな物語。



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『生まれ変わったハイスぺ美少女お嬢様は、いつの間にか学園の女の子たちを堕としていた』

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