絶望を味わった俺はこの世界を作った神に復讐を誓う
@ranmaru10
第1話 絶望
「まさか……そんな……」
俺達は最悪な状態だった。俺達はAランクチーム「狩人」として活動中にSSランク級の魔物「赤龍」に遭遇した。赤龍とは炎を吐く竜族であり1国の軍事力全てを犠牲にしてやっと倒せるか如何かわからない存在であり、このチームで挑んでも確実に負ける。
「逃げましょう!!」
僧侶である幼馴染のレシアが大声で叫ぶ。だが、俺らが逃走するために後ろに向かうタイミングが遅かった…
「ガッッアアアアアア……」
チームの一人である召喚術師クレハが逃げる為に後ろを向いた瞬間に殺戮…狩りが始まった。腹のど真ん中に赤龍の爪が刺さっている。あれでは助からないだろう。そして俺達は仲間が刺された事実により理解した。
(俺らが魔物を狩り魔物の肉を喰らうように赤龍もまた人を狩り人肉を喰らうのだと)
理解した瞬間、全員がこれまで以上に早く走り出す。
(生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい)
涙を流して俺達は走った。だが現実は非常に残酷だ。赤龍は必死に走ってる俺達を嘲笑うかのように追いつき炎を吐いて退路を塞いだ。
「もう……終わりだ……」
俺はそう呟いて地面に座り込む。こんなの無理だ。勝てるわけがない。今から全員殺されるんだ…
「だったら……」
そう呟いて俺は短剣を取り出し自分の首を刺そうとした。その時だった。チームリーダーかつ俺のもう一人の幼馴であるアリタとレシア、そしてタンク役であったリョウが武器を構えて前に出た。そして……
「リョウ、レシア……すまない……俺はマサトを助けたい……俺の勝手なんだ……わかってる……だけど……」
アリタがそうつぶやく。二人は無言で頷いていた。やめてくれ……お願いだから…お前らの方こそ逃げてくれ……俺はどのみちもう足がすくんで逃げれない……それにお前らのように強くない……所詮俺は妖精使いだ…戦闘には向いていない……だから犠牲になるのは俺の方なんだ……
声に出せない……怖い……怖いんだ…いざ言おうとしても俺はそこまで気が強くない…どうしよう……どうしよう……これじゃ俺だけが……いやだ……いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!! 俺だけなんて嫌だ!! ああああクソッ動けよ俺の身体っっっっあいつらが戦おうとしてるのになんで俺だけが! 俺だけが戦いから逃げるのか!!?
心の中で叫ぶ……だが、だからといって状況が変わるわけがない。
レシアがこっちを向く。
「マサト、私達が時間を稼ぐから……貴方だけでも……ね?」
彼女は微笑んでこちらを向く。そんなの作り笑いだ。
「まっ!!」
俺は叫ぼうとした。
「私、あなたのことが好きだったの。昔いじめられていた私をどん底から救ってくれた。これはきっと神様が私に恩返しするチャンスを与えてくれたんだと思う。」
レシアはそう言い放って走り出す。それと同時にリョウ、そしてアリタも……
「お前(マサト)だけは生き残れよ(ってね)!!!」
三人が叫ぶ。三人が突撃する。無謀だと思われるこの戦いで、たった一人の友人を逃すために
「アア……アアアアア……アアアアアアアアアアアアアアア!!!」
憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!! 何もできない自分が!!
三人が攻撃を仕掛ける。だが、所詮は人vs竜族との戦い。力の差は歴然だった。
チームで一番頑丈だったリョウの体が、赤龍の爪により3つに分かれる。
幼馴染であり一番の親友であったアリタは善戦するが、どうやら腹に攻撃を食らっていたらしい。血が滲んでいた。
俺は耐えられなかった……何かできないのか!!? 俺は所詮不遇職なのか!!?
アリタは攻撃を続けていた。だが所詮は人間。体力にも限界があった。
「グッ……」
アリタが握っていた大剣が地に落ちる。疲労の他に数多の攻撃を受けていたのだ。彼の身体は限界を迎えていた。
「マサト……生きろよ……」
彼はもう戦えないと悟ったのだろう。こちらを振り返りそう微笑んだ。その刹那、彼の上半身は赤龍によって食べられた……
「アあああああああああああ!!!!」
精神の限界だった。耐えられなかった。俺も戦おうとした。囮として肉壁としては活躍できるだろう。せめて生き残ってるレシアだけでもと思い立ち上がった。
「召喚獣【スピードウルフ】!!」
不意に、レシアがそう叫んで召喚獣を召喚した。スピードウルフは人間に友好的で名前の通り早く走る狼である。
「彼を乗せて遠くへ逃げて!!可能な限り遠くへ!!」
スピードウルフはそう言われ、俺を拾い上げ走り去る。
「レシアアアアアアアアアアア!!!!」
俺は叫んだ。お前だけでも!!せめてお前だけでも助けたいのに!!
スピードウルフはそんな俺の気持ちも露知らずただ走っていく。
「生きて……」
最後にレシアがそうつぶやいたかのように見えた。その瞬間、俺の初恋の相手であるレシアは爪で切り倒された…
赤龍は満足したというようにどこかへ飛び去って行った。
「ウウッウウウウウ……」
スピードウルフは徐々に透明になっていく。召喚獣は、召喚主が死んだら魔力の供給源を失い消えるのである。スピードウルフが徐々に透明になっていくことは否応なしに俺にレシアの死を伝えていた。
「クソッ!! クソッ!!」
復讐してやるっあの赤龍に!!殺してやる!! こんな世界の法則を作った神とやらを!! 殺してやる!! 殺してやる!! 殺してやる!! 呪ってやる!! 俺自身を!!
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今回初めて小説を書かせていただきました。不備やクオリティはお察しですがもし面白ければこれからもぜひ私の小説を見て楽しんで行ってください。
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