三つ星の夕暮れに
夏目海
第1話 三つ星の夕暮れに
大学に入学した頃からたがが外れ始め、旅をする機会が増えた。
その記録をまとめるにあたって、エッセイにするか、小説にするか迷った。
というもの、私は(のちにこれはあくまで私の能力だったのだと気がつくが)、どこかへ出かけると物語を考え出すという癖があったからだ。
逆に言えば、たくさんの物語が生み出せる旅ほど良き旅はない。
そんな私の「旅と本と小説」の記録を記して行こうと思う。
さてタイトルの「三つ星の夕暮れに」これは私が昔作った旅をテーマにしたミュージカルである。
ー三つ星に住むマリウスは地球との戦争を止めるためタイムトラベルをする。日本、フランス、中南米の過去を巡る中で、戦争の要因は自身が作り出していたことに気がつく。
なんてバッドエンドの陰鬱としたストーリー。しかしこれに音楽と演出をすることによって、なんとも華やかな作品にしてしまうという荒技に取り組んだ。
旅をするとよくわかる。ありきたりな観光地よりも、偏屈な路地裏や、その場所にいる人々の普通の生活の裏にある世の残酷さに興味が湧く。
私の小説もそれに同調し、どう足掻いてもバッドエンドに漂着する。そしてなぜか、普通なら主人公になれない人物や、悪側を主題にした話が多い。
これから紡ぐ私の物語も、きっとマリウスたちがその場で体験したことなのではないか、そう考えながら読んでもらえると幸いである。
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