第24話 珈琲屋さん

 今日はボクの習い事の後に、かなり久しぶりの珈琲屋さんへ行ってみた。何種類もの豆があり、頼むと好きなものを挽いてくれる。


 独身の頃は本を片手に珈琲と小さなケーキをいただいて、ここでゆっくり景色眺めていた。ただただ懐かしく感じる。


 ふと珈琲屋さんどうしてるかな?と、思い立って来てみた。変わらない雰囲気だった。私たち以外にもお客さんはいて、新聞や雑誌を読んでいる人や常連さんなのか、カウンターでお店の人と話している人がいた。


「珈琲作ってる!」


 ボクが珈琲豆を餞別しているお店の人を作業場の窓から覗いて興味深そうに眺めている。眼鏡のご主人は真剣に豆を見ていた。


 店の中は珈琲の香りでいっぱいだ。


 ボクがいると早く行こうよ。帰ろうよとなるのは目に浮かぶので、買って行き、家でドリップすることにする。


 でもそんな発想出来るようになったことが、ボクも大きくなったのだなぁと思う。今まで、ドリップする時間すらなかった。朝、ドリップする時間があるというのは成長の証かな?


 挽きたての珈琲豆の紙袋から良い香りがする。それを抱えて帰る。


 お店の人が淹れる珈琲にはきっと敵わないけど私なりの珈琲を淹れてみよう。

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