私は魔王だけど、勇者に狙われないために早くバージンを捨てます!
さいとう みさき
プロローグ
0-0兆候
「おおぉ、何と言う事だ! 勇者様が亡くなられた!」
魔王を倒したとされる勇者がここウルグスアイ王国の首都、ナッパスの街でその生涯を終えた。
―― 魔王あらわる時、神聖なる
言い伝えでは魔王があらわれる時、勇者の紋様を持つ者もあらわれる。
そう、まるで呼応するかのように。
そして勇者の紋様は必ず男性に現れ、
亡くなった勇者の
「あなた、今までお疲れさまでした。勇者であるあなたのおかげで魔王討伐後、この世界は平穏に過ごせてきました。ゆっくりお休みください」
そう言う老齢の女性は目の端に光るものを溜めていたが、その表情は優しい笑顔であった。
そんな彼女の横には
彼女も勇者の
「勇者様、あなたと過ごしたあの旅は一生忘れぬ私の宝物でした。本当にお疲れさまでした。さあ皆さん共に祈りましょう、勇者様の魂が無事女神様のもとへたどり着けるように」
教会の鐘が鳴る。
人々は勇者の死を
そして時代はまた移り変わって行くのだった。
◇ ◇ ◇
「ねぇ、ラーミラス聞いた? 勇者様がお亡くなりになったって」
「本当? じゃあまた魔王でも復活しちゃうのかな??」
「うーんどうかな? でも魔王が復活してもまたどこかで勇者様も現れて、魔王を討伐してくれるわよ。それに歴代勇者様は討伐した魔王を手元に置いてずっと管理していたって噂じゃない?」
「討伐しても魔王って生き残っているの??」
ラーミラスがそう友人に聞くと、彼の女は周りをきょろきょろ見渡してからコソコソと言い始める。
「実は教会の幼馴染に聞いたんだけど、魔王って必ず女性でしかもバージンなんだって! それでね、魔王討伐してもすぐにどこかで転生されちゃうから勇者様がその魔王のバージンを
「えっ? 何それ、初耳よ?」
「だから内緒の話なんだって。勇者様にバージン奪われた魔王は従順な女性になり、一生勇者様に仕えるようになるんだって。だから過去には勇者様の妻になった魔王もいるんだって!」
「うわぁ~、何それ?? あ、でも
「そこは分かんないけど、もしかしてどこかに魔王を閉じ込めていたのかもしれないわよね~」
「ふぅ~ん、でも魔王もバージン奪われてそして勇者様に一生を仕える羽目になるだなんてちょっと
「ラーミラスは相変わらず夢見る乙女ね? 白馬の王子様でも待っているの?」
「あはははは、流石にそこまではね」
街角ではそんな話が
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