無能と言われても、誰かを救えますか。

Fal

プロローグ 能力


「それではただいまより能力の検査を始める。検査方法は専用の機械に手をかざすだけだ。下のほうから検査結果が書かれた紙が出てくるからそれを取ったらすぐに下校してもらって構わない。それじゃ、一番前の人から検査を始めてくれ。」


 ついにこの時が来た、いや、来てしまったといったほうが良いかもしれない。

 この世界の人間は皆能力を持っている。


 200年以上前にとある国で、ある少年が不思議な力を使って強盗に襲われて重傷を負った人たちを次々と救っていった。

その出来事を境に周りの人々が共鳴するように不思議な力が発現し、数年後には世界中の人全員が例外なく不思議な力を発現させた。

 そして人々はその力を”能力”と言った。

 現在に至るまで様々な能力が生まれ、発現する能力の質は高くなっていった。

だが、現代にも人々に能力が発現し始めた時代の能力が発現する人もいた。

そういった能力を持つ人たちはまったく就職ができないなどの問題はなかったが、人間関係などで問題が起きることが多かった。特に学校などの教育の現場ではそういった能力を持つ人たちに対してのいじめが大量に起きた。


 話は変わるが、能力は基本的には生まれてから14年後になる年に発現する。

つまり今年で14歳になる俺は今日行われる検査によって、これからの学生人生がどうなるかが決まるといっても過言ではないのだ。

 そうこうしているうちにどうやら俺の番が来たみたいだ。

 機械のタッチパネルの部分に手をかざすと

数秒後に機械から光が出て、さらに数秒後には機械の下の部分から検査結果の書かれた紙が出てきた。

 機械から紙を取ると、邪魔にならない場所に移動してドキドキしながら検査結果を見た。

 俺の能力は...


 たままつほむら

  霊松  焔


・能力 炎操作   ・等級 F級


 俺は大きくため息をついた。

 ーあぁ、これからの学校生活、ハードモードだな。と思いながら。

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