第55話 無限廃墟街

ロッシュとアントニオは、アンタレスが最初にいた廃墟ビル街にいた。



「大丈夫?姉ちゃん」


「心配しないでアントニオ」



ロッシュはそう言いつつも、さすがにもうダメだと思っているらしく、せめて最後までアントニオの顔を見ていようと、じっと彼を見ていた。



「ん、顔になんかついてる?」

「いや、そーゆうわけじゃなくて……」




「ロッシュ!!!!」


どこからか、声がした。



「「アンタレス!」さん!」



空から、アンタレスが降りてきた。

服の色が若干、抜けているが、これはイレスの攻撃によるものだろう。


「2人とも、こんな所へ…ごめんなぁ。

ロッシュ…本当に私のせいで、人生を奪って ごめん…」



「いえいえ…でも私はもう、無理そうです。

お世話になりました。わがまま言ってごめんなさい…」


「え、姉ちゃん やだよ…もう○ぬなんて」



「アントニオ、勉強 頑張ってね……」


「うん……ぐすん」





3人とも泣き始めた。







すると、遠くの方から声が。いや、結構近いかもしれない。



「⁉︎……」


アンタレスは咄嗟に、体勢を整える。







「無限廃墟街を抜けて、物騒要塞まで来る奴らがいるとはなぁ」


緑の単眼を持ったピンクのカップケーキが、数え切れないほど現れた。先ほどの声の主は先頭の個体らしい。

ハンコのような体を持つ巨大なカバまでいる。


地面を飛び跳ねて移動するマグロに、青いボールのようなフグ、巨大なヒヨコもいた。



あと一つ目がついたドラム缶、カラバリ豊かなUFOたち、サッカーボール、カエル、リンゴ、ドローン、様々な種類の虫たち…1種類に絞って数えても、数え切れないほどの量が、何種類も後ろの方いる。



その中でも、一際 目立つ生物が現れる。



「あ、ゼロマキシマムオメガ様…」


生物たちが口々に言う相手は、巨大なヒヨコだった。

群れを突っ切って、アンタレスたちの前に立つ。


ゼロマキシマムオメガという名前らしい。

彼はアンタレスに尋ねた。



「貴様らは誰だ?ここは立ち入り禁止だぞ」


重い声が辺りに響く。


「私だって入りたくて入ったわけじゃない。でも、少しだけここにいさせてくれ。

彼女、心臓をやられて消滅寸前なんだ」


アンタレスはロッシュに目線を向けた。

ゼロマキシマムオメガは3人を罵る。


「雑魚め……。

お前ら、星の怪物だろ?我々はお前らに対抗する組織にUFOや人材を送ったんだ。

テレビと…現実様、あとクイーンUFOだったかな」



「……は?」



アンタレスは低い声で言った。ゼロマキシマムオメガが聞き返す。


「なんて言った?今」







「お前ら1人残らず○すって言ったんだよ」


ブシャァァァァァァァ



ゼロマキシマムオメガの周りにいるカップケーキたちが一瞬で消えた!


血飛沫が舞う中、ハエ叩きを腕に装着した巨大兵器たちが次々とアンタレスに襲いかかる!



バァァァァァァァァァァァァァァァァァァン


兵器がハエ叩きで地面をぶん殴る!

しかし、そこにアンタレスたちはいない。


「(⁉︎…速度が速い。我ですら視認不可能!)」


ゼロマキシマムオメガが認識する頃には、アンタレスが兵器を粉々にしていた。


アントニオとロッシュは、ビルの影に隠れている。



「サルガス・ウェポン…」


アンタレスの杖から、広範囲に煙が放出された。

マグロやネズミたちが、口から弾やイクラを発射し、彼女を撃ち落とそうと試みる!



シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


「ごっ⁉︎」「ぐっ⁉︎」


彼らは煙に包まれると、突然 気絶していった。



ゼロマキシマムオメガは、体からアンテナを伸ばす。


そしてアンテナの先を光らせた!!




ズバァァァァァァァァァァァァン



周りのビルが崩壊していき、地面から水が噴き出す!!


しかし、アンタレスは無傷だった。

その足下で、カニたちがハサミから弾を撃つ。



ブシャァァァァァァァ



しかし彼女によって彼らは爆散してしまった。

だが、なんとカニたちは分裂し、ロッシュたちに襲いかかる!



しかし彼らはビームで狙撃され、動けないロッシュたちの目の前で破裂していった。



↓ゼロマキシマムオメガ

「(こんな突然現れた不法侵入者に我々が負けているだと⁉︎

そこら辺の人間なら簡単に○せる我々が⁉︎

いや、現実様を倒した奴らだ…弱いはずがない!

一応、エリザベス様に報告しなければ…)」


彼はアンテナを伸ばし、攻撃を仕掛ける。


しかしそのアンテナが全て折れた!



「は⁉︎…」



天体操作能力フェルミパラドックス・アンサー……」



巨大な隕石が、ゼロマキシマムオメガに突っ込み、心臓を破壊する!




ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



ボロボロボロ………



生物の群れを壊滅させ、ビルの影に隠れているロッシュたちの元へ駆け寄ったアンタレス。


ロッシュが呟いた。



「アン タレ ス…さん、私の 事は心 配し ない で……」






「ロッシュ………吸収しよう」

「え?」



「は?何言ってんn」

↑アントニオ


ズンッッ


アントニオの体が吹っ飛んで、気絶する。

地面から顔を出しているモグラによって狙撃されたらしい。


ブシャァァァァァァァ


モグラがアンタレスに破壊された。



「私がロッシュを吸収すれば、ロッシュは私の中で生きられるかもしれない!

望みはそれしかない…!一応、成功した事あるから…」


「え……私が……ですか?」



「うん、ダメ?」

「………………」




ズシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

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