第39話 血の匂い

聖衣は困惑しながら、階段の麓に倒れていた。


「(アンタレスはあんな奴じゃないよ…。

もっと、ヤバくてヤバい奴だったはず。

声なんて聞いただけで寒気がするし、目と目が合う…瞬間にこの世から消えていた)」


実は彼、幹部に登る前からアンタレスとよく出くわしていた。


その度に逃げていたのだが。





「(5年前に当時の北斗七星7人全員でアンタレスを襲撃した時でさえ、奴は2人持っていって逃げたからなぁ!!

妖退様の弾幕を全て避け、品本様を立てなくなるまで追いこみ、里奈様とは接戦して負けなかった。

ジュラシックツリー様の心臓だって半分削ったし、テレビ様の体の一部を弾き飛ばした。

全様と実様はやられた……怖い、怖すぎるよ。

あ、もう体が消滅すr)」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



アンタレスが家に帰ってきた。


「あ、アンタレスさん」

↑ロッシュ


「やっぱ起きていたのか…」


「あぁ、なんかサンタのコスした人が暴れていたので…」

「それは私がなんか引き寄せたのが悪いんだ ごめん」



「では、私はまだ寝ますね。アントニオもまだ起きていませんし」


「うん、おやすみ」


ロッシュは目を擦りながら2階へ行く。


↓アンタレス

「(クリスマスなのにロッシュに悪い事したな。アントニオはまぁ、うん、そうだけど。

アレースは、私といつまで戦い続けるんだ。

もうそろそろ決着をつける時が来たのかな。でもこの子たちをどうすれば……)」


背伸びをしながら考え、アイスを食べながら散らかったリビングを元の状態に戻している彼女は、だんだん腹が立ってきた。


「(はぁ、私はなんで今、戦闘の後始末をしているんだか。

ん、このセリフ、前に言った気がするなぁ。デジャヴかな)」


アンタレスは、少し考えてみる。

































「(私も子を持ったら、が遊んだ後、後片付けしなきゃならないのかなぁ)」


誰かが、ベッドの上で、天井を見ながら考えている。

顔はアンタレスによく似ているが、彼女の周りには機械がたくさんあった。


病院だろうか?








「アンタレスさ〜〜〜ん」


「はい」



からの差し入れですよ〜」


「ありがとうございます、いつもいつも…。

の方は、どうだと言っていましたか?」


「順調だそうです。ただ最近、が家の周りを彷徨いているそうです。

その不審者からは、がするそうですが…」


「あぁ……それは、まぁあの人の事ですし、なんとかなりますよ。多分」


「そうですか。なら良かったですよ」


「では、ここにパンケーキ置いておきますね。

、元気になると良いですね」


















































「パンケーキ………パンケーキ………。

今のは、私の記憶なのか?もし私のだとすれば…」



アンタレスは窓を開けて、外に出る。

そして、杖を手にした。



「血の匂い…奴しかいない。北斗七星のリーダー 北極星ポラリス 異血郷いけつきょうの妖退 しのぶ…」

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