本編:北斗七星編

第17話 授業参観への道

元の大きさに戻ったアントニオとロッシュは駆け寄ると、抱きつき合った。


「良かった…アントニオ、ケガしてない?」


「うん。姉ちゃんは?」


「心配しないで……あれ、アンタレスさんは?」


「確か、あそこら辺にいた」


彼が指差す方向に、杖を使って瓦礫を持ち上げているアンタレスが。


2人は彼女の元へやって来る。



↓アンタレス

「お、良かった…目立ったケガはしてないようだね。

現実の奴を倒すとは、2人とも強いな。

私でさえ、以前の戦いでは2日ほどかかって逃げられてしまった」


「ところでどうするの?この街は」


「この周辺だけ、戦いの前の状態の空間にする。

私は空間を操作できるから、過去の街の空間をここに置いておく」


「「??????」」


「まぁ、街は元の状態にしておくから、気にしなくて良いよ」







↓アントニオ

「あ、そういや明日 学校で授業参観だよ」


「「は??????」」




「しかも強制参加だってさ」


「「なんで??????」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



アントニオの衝撃的な発言により、一気に忙しくなった3人。


ロッシュが親として行くには若すぎて犯罪になるので、アンタレスが行く事になった。


もちろんそのままの姿で行くわけにもいかないので、スーツ姿でマスクとメガネと帽子を被る。




いつもの格好だ!


「いってくる」


「「いってらっしゃい」」



アントニオが家を出る。

アンタレスが出発するのは午後2時だ。

今は朝8時なので、時間は割とまだまだ余裕はある。


側から見たら、どこにでもいそうなOLのアンタレス(スーツの姿)は言った。



「私 ママ友とか知らないし、顔見知りの生徒もいないんだが…」



「うちの母はママ友も顔見知りの生徒もいません」

「すまんな悲しい事言わせて」







緊張している事を待っている時、時間はめっっさ短く感じ、それを行なっている時は長く感じるものである。


「あの、アンタレスさん」

↑ロッシュ


「ん?どした」



「授業参観に行かないんですか?」

「え もう時間なの⁉︎」


「はい。そろそろ出発しないとヤバいと思います…」

「もっと早く言ってよォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」


「何度も言いました!」



アンタレスは空を飛んで学校へ向かった。



「あんな行き方じゃ、目立ちますよ……」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アントニオの通っている学校は、なんと私立学校である。


そんな私立学校の少し離れた街角で、アンタレスは地面に着地した。



そして周りの服装を見て、困惑した。









「(めっっっさ…オシャレ…)」



学校まで歩いてきた親たちは、カーディガン&ブラウスとか言う上品な雰囲気の組み合わせや、ニットのアンサンブルなど、オシャレな人だらけだった。


Tシャツにジーパンのような服装の人すらいなかった。



「(さすが私立学校。私の親なんて黄緑色の服と花柄のスカートだったのに…!

時が経つのは早いなぁ……)」



校門を抜けると、学校の人たちが挨拶している。

アンタレスもしっかり挨拶しておいたが…職員に止められてしまった。



「すみません、あなたはどちら様…」


「え、アントニオ・キラキャラの母です」


「そうですか…いやすみません、少し怪しかったもので…。

失礼いたしました」


「え、私の姿、そんな怪しいの⁉︎」

「はい、怪しいです」


「Σ(゚д゚lll)」

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