第4話 アレース
ドンッッッ
巨大な青い手が机を叩きつけ、爆音が鳴り響く。
その後、人よりも大きい指が机を叩き始めた。
現実と書かれた お面を被った球体、頭にタオルを巻いて白色の三角形が散りばめられた紫色の羽織を着ている少年。
巨大な赤い目と幹に数多の目がついた巨木、赤いテレビ、緑の髪の毛を持つ腕輪をつけた少女がお辞儀した。
4人が謝っているのは、紫色のローブを着た単眼の巨人だった。顔は隠れていてよく見えない。
「申し訳ございません、イレス様」
イレスと呼ばれた巨人は、指を少年に差し、静かに言った。
「アンタレスはどうした。奴はこの世で唯一の汚点。なぜ逮捕できない?
もう奴をこれ以上、野放しにしてはいけない。だからお前ら、生物兵器を雇ったのだ。
特にお前、
なのになぜ、まだ奴を○せていない?この星は弱者しかいないのか。
我々 アレースは地球の平和を守るべく、奴と戦っている。仕事を舐めているのか?」
「申し訳ございません」
妖退という少年が口を開く。
「私の足跡追跡能力でも
奴は我々の強さを知っているからこそ、姿を現さないのです」
「そうか、では見つからないから諦めるか」
「…………」
「もし次、アンタレスと対峙して退治できなかったら、お前は解雇確定だ。
もう妖退家は信用しない。無能な3758代目が信頼を失わせたからな。
では、解散」
イレスは煙のように消えていった。
その後、現実と書かれた お面を被った球体が叫ぶ。
「ひぃぃぃ、めっちゃ怒ってたよォォォォォォ。
僕やだァァァァァァァァァ、帰りたい」
「現実くん、私も帰りたい。もう3752徹目だ。息子が心配だ。
だが、息子の安全のためにやっているのだと思うと、やる気が湧いてくる。
誰かのために頑張ろうと思うと良い。
妖退くんも、そうあまり落ち込むな。まだ望みはあるさ」
巨大な赤い目と幹に数多の目がついた巨木が言った。
彼の名はジュラシックツリー。球体の名前は、現実くん というそうだ。
そして、テレビと緑の髪の毛を持つ腕輪をつけた少女も言う。
「我々はアンタレスを倒すまで評価されないのです。早く討伐を急ぎましょう」
「妖退様、私たちだっていますから」
少女の名は
↓妖退
「そうだね皆さん。早く倒しに行こうか、星の怪物を」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝になった。気持ちの良い朝だ。
なぜなら、起きたら暖かい布団があったからだ。
昨日、アンタレスが寝た頃には無かったはずなのに。
「(え、なんで??)」
台所の方では、包丁を使っているようだ。
朝食を作っているのだろう。ソーセージとパンの香りが部屋中に広がる。
「(久しぶりに聞いた音だ)」
よっこらしょっと起き上がった彼女は、朝早くから準備をしていた2人に挨拶する。
↓アントニオ
「なんだもう起きてきたの」
↓ロッシュ
「おはようございます アンタレスさん」
「おはよう。冬らしい良い天気だね。もうすぐクリスマスか。
なんか君らは欲しいものあるのかい?」
↑アンタレス
「え、良いんですか⁉︎ありがとうございます!
昨日の水みたく出せるんですね⁉︎」
「いや無理です」
「え」
「最低限のものしかまだ出せないからね。店で買ってくる必要があるんだ」
「わかりました」
「え何この人 水なら無から出せるのかよ」
↑アントニオ
アントニオは自分たちの朝食を作りながら、そんな事を考えていた。
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