キャッチボール大作戦!!

【桃姫side】

道三「桃姫よ、今度は何用だ?」


野球ボールが完成して、しばらく経った頃、私は、道三さんを鷺山城に呼んでいた。


桃姫「今日は、父上にとある遊びをやってもらいたいのです」

道三「ほぅ?どんな遊びだ」


遊びと聞き、興味津々な様子の道三さん。


桃姫「このボールという物を投げ合う遊び、キャッチボールです!!」

道三「...............それは楽しい物なのか?」

桃姫「もちろん!!とっても楽しいですよ!!」


そう言った後、野球ボールとグローブを手渡す私。


道三「ふむ....これは中々良い道具だな」


早速、グローブを着けた手をニギニギしながら、そう呟く道三さん。


桃姫「あぁ、一応言っておきますけど..........今回、キャッチボールをするのは、私ではありませんよ」


私がそう言うと.......その場に、義龍さんが現れるのだった。


道三「義龍..........」

義龍「.......父上」


義龍さんが登場したことにより、二人の間には、微妙な空気が流れていた。


桃姫「さてさて、邪魔者はここで退散しますかね〜」


そう言うと、その場から去った.......と見せかけて、私は物陰に隠れると、二人を見守る体制になるのだった。


義龍「父上.......」

道三「...........とりあえず、やってみるか」


そう言うと、キャッチボールを始める二人。


最初はぎこちなかったものの、徐々に一定のリズムが出てきたのか


道三「..........例の噂のことを気にしているのか」


道三さんの方から、義龍さんに話しかけたのだった。


義龍「し、知っていたのですか!?」

道三「..........一応、耳に入っていたのでな」


道三さんの発言に対し、驚く義龍さん。


.......やっぱり、道三さんは知ってたんだ。


義龍「父上、私は」

道三「居なくなった方がいい、とでも言いたいのか?」

義龍「!?」

道三「お前自身は、どうしたいのだ?」


道三さんの言葉を聞き、義龍さんはしばらく考えた後.......


義龍「私は.......父上の側に居たいです」


と言った後、ボールを投げ返した。


そして、そのボールをキャッチした道三さんは、義龍さんに対して、こう言った。


道三「そうか.......ならば、好きにするがいい」


それを聞いた義龍さんは、目を見開いた後


義龍「.......いいのですか?」


恐る恐る、そう尋ねた。


道三「例え、血が繋がっていなくても、お前は儂の息子。その事実は変わらぬ」


言った。


義龍「父上.......!!」


それを聞いた義龍さんの目からは、大粒の涙が溢れていて、どうやら、このわだかまりは何とかなったらしい。


桃姫「うんうん、良かった良かった」

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