恋の・・予感?

三日月 青

第1話

今まで人にこんな感情を抱いたのは初めてだ。

目が合うたびにドキッとする。

すれ違うたびに心臓が高鳴る。

毎日学校に来ているかチェックしてしまうし、いなかったら「ふーっ」と息をついてしまう。

どこにいるか、常に気になってしまう。

GPSでもつけたいところだが、それはモラル的にダメだろうから仕方ない。

君の近くにいるとソワソワしてしまって落ち着かないんだ。

あの姿の君を見たあの日から、

忘れも 忘れられもしないあの日から、

君は常に僕の頭のどこかにいる。


君と話す時はどんな顔をしていいかわからないから、極力話す機会は避けている。

二人きりなんてとんでもない。

でも同じクラスである限り、必ず何回かは交流する。

僕が目さえ合わせられず、心臓バクバクで、君の視線を感じながら必死に相槌を打っている様子は滑稽だろうか。

それでも君はまるで何もおかしなことはないように接してくる。

君は僕がどんな思いでいるかわかっているだろうに。

僕の様子を見てたまにどさくさに紛れて手を握ったりする君を、少しあくどい子だと思ったりしたいところだが、いざそんな状況になればそれどころじゃない。

肉食動物に狙われて死んだふりをする小動物のように固まってしまい、汗が止まらなくなってしまう。

廊下ですれ違いざまに肩がぶつかった時は鳥肌が立ち、

急に教室から出てきて鉢合わせになりそうになったら階段を一つ踏み外した時のような、臓器がギュッと収縮する感じ。

あの日からずっとこの調子だ。

このままじゃ僕がもたない。

これからもこうして僕の人生をめちゃめちゃにするだろう。


お願いだから消えてくれ

あの時のことなら何度だって謝るから

なんでもするから

あの日の君の記憶を消してくれ

もしくは

今の君が消えてくれ

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