第7話 複雑な気持ち

 アウレールは、15歳まで学校へ行かなくてはならないので、午前中は学校、午後は自警団でロボットの操縦訓練をする。

 学校はエリアの子供たちが集まっているだけなので7歳から15歳の子供が30人弱いるだけである。

 アウレールが学校へ行くと友人たちが集まってくる。

 「ロボット動かしたんだって。」「敵をやっつけたんだろ。」「すごいな、俺も乗せてくれよ。」

 「俺、自警団に入ったんだ。」「なんで入れたんだよ。」

 「ブルーノの兄貴がお父さんに頼んでくれたんだ。」「いいな。」

7歳のエルゼがアウレールに言う。

 「お父さん、言っていたよ。アウレールが人を殺したって。悪いことじゃないの。」

15歳のヴィムが言う。

 「アウレールが殺したのは悪い奴だよ。だから仕方ないんだよ。」「じゃあ、いいことなの。」

 「それは・・・、でもアウレールが戦わなかったら、みんな死んでいたんだぞ。」「私も死んでいたの。」「そうさ。」

アウレールは装甲車を自走砲に投げて壊したことを思い出す。あそこにいた人たちは俺が殺したんだ。両手が震える。

 クリスタがアウレールに声をかける。

 「顔色が悪いよ。」「大丈夫。何でもないよ。」

彼は、俺が殺した人たちにも家族がいたんじゃないのか。今その家族は泣いているよなと考える。

 同時に俺が殺さなかったら、学校の友達はいなくなつているかもしれない。俺、間違っていないよなと思う。

 授業の時間になる。教室は7歳から12歳の子供の教室と13歳から15歳の子供の教室に分かれている。

 教師は授業の初めに昨日のことを話す。

 「昨日、軍が不当な要求をしてきたため自警団と戦闘になりました。銃の弾が飛んできて皆さんは怖い思いをしたと思います。」

教師はアウレールを見て言う。

 「皆さんは知っていると思いますが、アウレール君が勇気を出して、軍を追っ払ってくれました。彼に拍手をしましょう。」

教室の中のみんなが拍手する。しかし、アウレールは、複雑な気分だった。

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