第7話 小学6年生の忘れられない思い出
ドラマや漫画で昭和のハラスメントを話題にした物を目にする事が多くなった。今思うと本当におかしな事ばかりがあったのだが、そう言えば自分にも強烈な経験があった事を思い出した。
小学6年生の時に児童委員という委員会で生徒主催の行事などを運営する活動をやっていて、ある時クラス単位でまとめたものを模造紙に書いて発表する、という企画があった。私は体育館で各クラスから預かった模造紙を木の枠に貼るという作業をしたのであるが、その時に画びょうが必要で、何故かは忘れたが自分のクラスの画びょうを使ったのである。
その作業の後、自分のクラスで誰かが「画びょうが無い」と騒いでいた。そこで「児童委員で必要だったので使いました」と言えばよかったのだが、何故か聞こえないふりをしてしまった。
この時のクラスの担任はいわゆる「暴力教師」で、この聞こえないふりが気に入らなかったのか私は廊下に呼び出された。担任は私が持っていった事を知っていたんだと思う。
正確な言葉は覚えていないが「勝手に持っていきやがって」とか「知らんふりしやがって」みたいな感じで怒られ、ビンタされ足蹴りされたのだ。
今思うと「はぁっ???」という感じだか、とにかく怒られ暴行されたのだ。
とても怖くなり逃げだしたかったので「すみません。今すぐ取ってきます。」と言って体育館へ走ったのを覚えている。そして画びょうを外そうとしたのだが、しっかり刺さっていて全然取れず、半泣きで歯でかじりながら取ったのだ。
実は、足蹴りされて倒れたタイミングでちょっとだけ失禁してしまったので、教室に戻る前にトイレに行ったのだが、その時ビンタのせいで口の中が切れているのが分かって、うがいしたのを覚えている。
あの時なぜ聞こえないふりをしたかは思い出せないが、クラスの皆が見ている前で吊し上げられるような、そんなに悪い事だったのだろうか。悪い事だったとしても、小学6年生なので言葉で充分に伝えられたのではと思う。
あの伝説の暴力教師。今会えるなら、この話を蒸し返して30年以上経っても覚えている事を伝えたい。そしてなぜビンタに足蹴りだったのかを聞きたい。
何人もの生徒を殴ってきているので、私の画びょう事件なんか覚えていないんだろうけど。
あの時の、恐怖・痛さ・恥ずかしさは、この先も忘れられないだろう。
本当にあったメンドクサイ話 椿 爽 @Tsubaki_Aoi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。本当にあったメンドクサイ話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
その日暮らしの桜雪/桜雪
★26 エッセイ・ノンフィクション 連載中 534話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。