第3話
しかし、勇者は神に打ち勝った訳ではなかった。神は世界が思うより強大で、抗えぬものだった。赤子の手を捻るように神は勇者を倒した。
しかし、勇者は諦めることは無かった。己の神殺しの宿命を果たす為、或いは世界を護るために。
勇者は死の間際に神と遊戯をした。遊戯で神に勝った勇者は神と取引をする権利を得た。勇者が神に願ったのは神が殺すのは神殺しの宿命を持つ勇者のみであるように、と。
二代目の神殺しの宿命を持つ勇者が生まれたのは、初代の死から僅か数時間の後のことだった。
二代目の神殺しの宿命を持つ勇者は初代よりも随分と弱く、神に一瞬のうちに殺されてしまった。
三代目の神殺しの宿命を持つ勇者は二代目の死後、八百年に渡って生まれることは無かった。
神は戦いという「遊び」をするために時間を跳躍した、踏み潰された時間はなくなり、時間の上に積み上がる時間はとても脆いものとなった。
その勇者は神を------。---------。-------------。
神殺しの宿命を終わらせたのだ。
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