【悲報？】ダンジョン気狂いがとても強い件について【朗報？】

イレギュラー､発生

2110年 ゴールデンウィーク

「ふむ､やはり興味深い」

とあるダンジョン内で魔物をスケッチする人物がいた｡

「ゴギャ､ゴギャア！！！」

緑色の肌、尖った耳､醜悪な小人らが襲いかかる

「少々煩いぞ､私は今､小鬼（ゴブリン）に興味は無いんだ」

人物───雲龍 伶於はスケッチしていた腕を止め､小鬼（ゴブリン）らに指を指し、下に向けた｡

「ゴギャｧｧ？」

空中にいくつもの剣が出現し､ゴブリンに向かっていく

─────「やはり､静かなのはいいな」

悲鳴が薄暗いダンジョンで鳴り響く｡

「イレギュラーだ！逃げろ！！」

「何が起こってるの！？」

「ふざけるな！なんでこんな所でイレギュラーが起こるんだよ！っ､のん！！！」

【逃げて！】

【何でイレギュラーなんか起こってるんだよ！？？】

【やばいやばい】

【のんちゃん！！！】

「ぁ､」

ハルバードを持つ牛頭の大男──ミノタウロスが転んでしまった者にその刃を向ける

刹那､稲光が走る

「騒がしいから何事かと思えば…お前かミノタウロス」

【え？】

【うっそぉ】

【今､何が起きた？？？】

【のんちゃんたすかった？？？】

黒髪と､マントを靡かせてそれは現れた｡

「グがァァァ!!!!」

腕を落とされ､ミノタウロスは怒る

「はぁ､全く今日はことごとく邪魔が入るな……」

「そこの人､大丈夫ですか」

まるでミノタウロスなどいないかのようにしている

「グがァ！！！！！！」

【危ない！】

【よそ見していいのかよ！？？！！！】

【まだ何匹もいるぞ！！】

【見てられない！！】

「だから､煩いぞ」

──無窮流雷火焼尽

爆音が轟く､カチリと音が鳴る｡

刀はもう､しまわれていた

【】

【】

【すっげぇー！！！！！】

【やっばっ！！！】

【1人で全滅？？？？！！？】

【タチの悪い合成？？？？】

【解析したのに結果がおかしい！？？！！！】

「君たち」

「はっ、はい」

「えっ､」

「……のんを､俺たちを助けていただきありがとうございます」

「助けてくださってありがとうございます！！」

4人組パーティからお礼を言われる

「……別に礼を求めた訳では無いが､早めに帰るといいです」

「ここ最近､井之川は魔物が多くなっています」

「君たちでは勝てないだろうから……忠告はしました」

【言外に足でまとい判定されてるの草】

【言ってること正しいのに……】

【でも美少女】

【表情筋は全く動いてないけどな】

「それでは失礼する」