最近の私は赤ちゃんをバカにしてしまう。
可哀想な赤ちゃんー…。
生まれたいとも、生まれたくないとも選択肢なんてなかったというのに。
何も考えてないような顔をして。
まだ見なれぬ世界にあんなに瞳を輝かせて。
――そんな瞳で、私を見ないで欲しい。
楽しいのは最初だけなのに。
「……バカじゃないの……」
耐えきれずLINEに視線をおろした。
『ばあちゃんが死んだ。』
既読がついたまま同じ画面を眺める。
これから先、たくさん笑って、たくさん愛を知るだろう。そして。愛したぶんだけ悲しさと別れの辛さと寂しさを知っていくんだ。
心がだんだん麻痺ってしまう。
きっと、私は曇った瞳をしてる。
あと何回? あと何人?
死体を見るのも、嫌だ。
葬式に出たいようで、出たくないという矛盾。
死体が焼かれるのも見たくない。
骨になった姿も、それを箸で掴むのも……。
身内が声を、唇を、手を、震わせてなく姿も……。
――嫌なんだ、見たくないんだ。
心が……麻痺っていくんだ。
この感情を、あの赤ちゃんは経験してない。していかなくちゃいけない。そう思うと。
可哀想いがい出てこないでしょう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます