第40話 【希望】

 今日は札幌の隣の町、小樽市にある運河近辺のダンジョンへ、サーミャを連れてやってきた。サーミャに吸血鬼の技をいろいろ教えてもらうためだ。


 もう一度サーミャのステータスを確認する。


◆◆◆

名前:サーミャ・アブルース

性別:女

年齢:4232

種族:真祖吸血鬼【公爵】


レベル:4988

攻撃:3231153

守備:3156312

魔力:3389120

知力:3289918

精神:3327182

速度:3317283


スキル:【憤怒】

◆◆◆


 やっぱおかしいよ。名取さんの3倍以上のステータスと、その強力なスキル。そういえばスキルの内容見てなかったな。


【憤怒】

・七大罪スキル。同じ時代に1人しか所有できない。怒りの感情が強まるほどステータスが上昇する。その倍率に上限はない。怒りの感情が増幅しやすくなる。

・現在の大罪所有者

 【傲慢】エリアス・シュナイダー(人間・悪魔憑き)

 【強欲】ラインハルト・アヴァン(人間)

 【嫉妬(未覚醒)】九重 春奈(人間)

 【憤怒】サーミャ・アブルース(真祖吸血鬼【公爵】)

 【色欲】アンナ・ハーベスター(龍族)

 【暴食】ユリウス・グラン(人間)

 【怠惰】アンジュ・グレイス(アラクネ)


 スキル的に考えれば純粋にステータスで殴ってくるタイプだ。このスキルを鑑みると、あの時サーミャを一撃で気絶させた紅さんって一体なんなんだろう。ステータス確認しそびれたしなぁ。あの時いつのまにかいなくなってたし。


 てか他の七大罪スキルの所有者見れるんだ。…………うん? 未覚醒だけど、春奈ちゃん大罪スキル持ち!? 大罪スキルはデメリットもあるみたいだし、覚醒しないことを願おう。


 そういえばエリアス・シュナイダーって世界2位じゃね? 種族のとこもなんかおかしいし、なんかいろいろ知っちゃった気分だ……。


「ミーナ様? どうかされましたか?」


「ううん。なんでもない。…………いや、やっぱなんでもなくない。サーミャって自分のスキルのこと知ってるの?」


 実際どうなんだろうなぁ。


「憤怒のことですか? ええ、もちろん。話せば長くなりますが、先代の姫、ユーニャ様が鑑定のスキル、秩序のスキルを持っていたので、鑑定で発見後、封印していただいていました」


 どうやら先代の姫も鑑定スキルを持っていたらしい。秩序ってなんだ?


「秩序?」


「七美徳スキルの1つでして。対象者のスキルを部分的に封印する力があります」


 スキルを封印するスキル……。七美徳スキルって七大罪スキルの逆みたいなもんなのかな?


「ユーニャ様は七美徳のうちの3つ、博愛、希望、秩序を所持していた素晴らしい方なのです」


「すごいなぁ。私もそんなふうになれるかなぁ……」


 サーミャより強いらしいけど、本当にすごい人だったんだな。人じゃなくて吸血鬼か。


「きっとなれますよ。2000年後には。そういうわけで、今から吸血鬼の力、勉強していきましょうね」


 2000年後って……それまで俺生きてるかなぁ……。


 よし、未来を見据えて、俺も頑張っていくか。


 俺が決意を固めたその瞬間、体が淡く輝いた。


「うん?」


「これは……」


 自らに鑑定をかけてみる。


◆◆◆

名前:長麦 みいな

性別:女

年齢:13

種族:吸血姫


レベル:82

攻撃:39121

守備:7212

魔力:37218

知力:32233

精神:87321

速度:38921


スキル:【鑑定眼】【種族特性:吸血姫】【希望】

◆◆◆


 おっ!? なんか増えてる!?


【希望】

・七美徳スキル。同じ時代に1人しか所有できない。対面する敵のステータスが自分よりも高い場合、自分のステータスを相手のステータスと同程度まで底上げする。未来を見据える希望を持ったものが持つ。

・現在の美徳所有者

 【博愛(未覚醒)】長麦 みいな(吸血姫)

 【希望】長麦 みいな(吸血姫)

 【理想】瀬戸 奏多(人間)

 【知識(未覚醒)】神宮司 悠斗(人間)

 【公正】グラン・ランバート(人間)

 【勇気】瀬戸 奏多(人間)

 【秩序(未覚醒)】長麦 みいな(吸血姫)


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る