第12話

私を見下ろす榊は、どこか悲しげで寂しそうにも見えた。


『どうして沙矢乃は、寧々にドキドキしたの?』

『えっと......わかんない』


いや、顔が良かったからか?それとも自分のことが好きな人に迫られたから?

わからない..........なんでだろう


『じゃあ、今私に押し倒されてドキドキしてる?』

『いや、してないけど』


私が、そう言うとますます榊の顔が怖くなった。いや、なんで??榊には関係ない事だと思うけどな


『.......なんか、ごめんなさい?』

『...もう、いい.......』


榊は自分の部屋に行ってしまった。なにか気に触るような事をしたのかな?あとでちゃんと謝ろう。そう思い、今日は寝ることにした。


翌日、私が起きた時にはもう榊はいなかった。仕事に行ったんだろうけどそれにしてはいくらなんでも早すぎる。

家に帰ってきてからも態度がそっけない、いつもなら榊の方から話かけてくるのに、今日は一度もなかった。


そうゆう感じの日が続いて、とうとう痺れを切らした私は、どうして私のことを避けているのか聞いた。


『ねぇ、なんで避けるの?なんか悪い事したなら謝るよ』

『..............これは、自分の問題なの』


自分の問題?私と寧々の話からどうしてそんな事になったのだろうか。やはり私は榊の事をちゃんと理解していないのだろう。


『榊の問題でもいいから教えてよ!』

『............沙矢乃が他の女と仲良くするのなんかヤダ』


えっと、つまりそれは.......どうゆう事?


『.......................。』

『............................。』

『.....はぁー、嫉妬だよ、嫉妬!』


嫉妬?榊は、私が他の女と仲良くしてたら嫉妬するのか。


『どうすれば機嫌なおる?』

『ハグして、それから好きって、愛してるって言ってくれたら直るかも』


言われた通りに、ハグしてそれから榊の耳元で囁いた。


『好き、愛してるよ』

『〜〜〜〜ッ!』


一瞬にして榊の顔は耳元まで真っ赤になり、顔を赤らめた。めちゃくちゃ情緒不安定じゃん、どしたの。


『....ほんと、そうゆうところだからね』


まぁ、機嫌なおったからいっか


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