第7話

そして約束の日曜日


『すいません、少し遅れました。』

『いえ、大丈夫ですよ、今きたところですから』


おぉー、恋愛漫画でよく見るセリフだ、こんなにさらっと言える人初めて見たよ。

すげぇ


『では、行きましょうか』

『そうですね』

『てか、寧々さん敬語使わなくていいですよ、同い年なんで』

『あら、そう?じゃあ遠慮なくタメ口でいかせてもらうわね』

『沙矢乃も敬語使わなくていいわよ』

『ん、わかった』


すごい、敬語をやめただけなのに寧々の印象が変わってくる。ちょっとお嬢様っぽい感じだな。いや実際にお嬢様かな

............たぶん


そうこうしている間にカラオケ到着


『ところで、なんで今日はカラオケに来たの?』


ずっと思ってた疑問だ。確かに寧々とは大学が一緒で、たまに話すくらいには仲が良いが、2人でカラオケに行くほど仲良くはなかったはずだ。


『そうね、強いて言うならあなたに近づくためかしら』

『?』


私に近づく?もう既に結構近いと思うけど(物理的に)


『あなたは、おぼえていないだろうけど私、あなたに助けられたことあるのよ』

『........ほえ?』


助けたことある?いや大学でだったら無い、となると高校時代か?............あ


『....あの時、ナンパされてたお嬢様?』

『お嬢様は失礼だけど、そうね』


あぁー、あのときの、なんかどおりで見覚えのある顔だなーって思ってたんだよね。でもあのとき、急いでたから寧々の腕を掴んでいる不良のみぞおちに、蹴りをいれて逃げたんだっけ?今考えたら、だいぶやばい事してたな自分。


『私、あなたと同じ大学に入れて結構嬉しかったのよ』

『へ、へぇー』

『でも、沙矢乃は私の事ちっともおぼえていないから榊を利用してあなたに近づいたの』

『......................??』

『.....まじすか.....』

『え?じゃあ榊のことは?』

『別に好きじゃないわ』



聞いたか榊、別にお前の事好きじゃ無いんだって、ツンデレかよって........違うな........。

なんか、榊がかわいそうに見えてきたんですけど。てか何なんでそこまでして私に近づこうとするの?


そんな思考が頭を埋め尽くしていたときいきなり寧々が膝の上に乗ってきた。

........え??しかも向き合う形で

そして、腕を私の首にまわして..............


『ちょっとまてぇぇぇぇい!!』


何何どうゆう状況これ?なんか近いし、いい匂いするし、あぁぁぁぁ思考回路が

とりあえず、おりてもらわないと


『あのー寧々さん?』

『何よ』



なによ、じゃなくてですね。はい。

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