第17話 相方

貴族の子供達がダンスを楽しんでいる場所の端で食事を楽しむ3人がいた。


「そう言えばリアムは何処の学院に行くの?優秀な貴族が行く王国学院?それとも、剣技がそんなに優れているなら騎士学院かしら?」


「いいや違うぞ。俺は希望の星学院に行く予定だ」


「た、確かにあそこは実力主義だけど命を落とす可能性があるから優秀な貴族はいかない筈よ?」


リアムはニカッと笑った。

「継承権のない子供だから丁度いいのさ」


リリーナはしばらく考えた後声にだした。

「決めた。私も一緒に行くわ」


「なら僕も行こうかな」


「人の話を聞いてた?レイとリリーナは継承権があるから無理でしょう」


「無理を通してこそ面白いと思わないかい?」


「そうね」


「お前らやっぱりバカだろう」


三人で笑い合いながら話していると一人の女性が話してきた。


「リアムさん、探しましたよ」


リアムはさん付けで呼ばれたことに違和感を覚えながらも簡易鑑定した。


そして確信した。


「これはこれはアイリス嬢。見つけて頂いて助かりました」


レイもリリーナもアイリスを見て驚いている。


「リアムはあの鬼才と知り合いだったのか?」


「ああ、遠い昔にな」


「私も御邪魔してもいいかしら?」


「ええ、もちろんよ。でも、人を寄せ付けない鬼才と言われた才女がどうして?」


もちろん周りの貴族の子供達も騒ぎだした。


「あのグループはヤバイな」


「神童のレイや戦闘狂のリリーナだけならまだ知れず、鬼才のアイリスまで加わったぞ」


「美男美女勢ぞろいですね」


「かぁ~、一夜を御供したいぜ」


「あんたバカ。自分の顔を見て出直しなさい」


「いつ見てもお美しい」


そんな言葉が湧き出る程、アイリス達の容姿は整っている。


簡単に説明すると…。

リリーナは赤髪のポニーテールをしている。戦闘狂なのにスタイル抜群で巨乳のきれかわいい系だ。


レイは現在社会で表すとホストや芸能人顔負けの整った綺麗な顔をしている。そして茶と紫の二色の髪色が際立つ程のイケメンだ。


アイリスに関しては、サラサラな金髪にスジの通った綺麗な鼻筋。そしてプクッと触りたくなるほどの艶やかな唇。子供とは思えない程大人びた容姿は絶世の美女と噂される程だ。さらにはくびれた腰にスラットした綺麗な足なのに巨乳と言う反則級のスタイルは一度見たら誰もが忘れられない程だ。


最後にリアムの容姿だが、すこしだけ伸びきった黒髪にクリッと大きな瞳。以上。


えっ、アイリスの説明よりも雑だって?むしろブタの親父の子からイケメンと思われる容姿に育ったことだけでリアムは感謝しているのだ。


そんな4人が揃えば、皆憧れの表情でうっとりとしながら見ているのも頷ける。


しかし、その4人が並んでもアイリスは群を抜いて綺麗としかいいようがない。


誰もがお近づきになりたいアイリスが自分から挨拶に行ったとなれば騒ぎになるのも当たり前だ。


辺り一面噂話で盛り上がっていようだが、お構いなしにアイリスは話かけてくる。


「この時を楽しみにしていましたわ」


「そう。幻滅されてないようで安心したよ」


「フフフ、今度ゆっくり今までのことを聞かせて下さいね」


「そうだな、俺も気になるし今度ゆっくりな」


こうして後日アイリスと会う約束をした。


この後も4人で楽しく話していると予想も出来ない人が話かけてきた。


「私もご一緒してもいいでしょうか?」


その言葉を聞いてアイリスでさえ驚いている。


「も、もちろんです、ソフィー王女」


レイがしどろもどろになりながらも答える。


リアムだけは気にする素振りを見せず成り行きを見守っている。


「凄い組み合わせのグループがあると評判でしたので、是非にと思いまして」


「いえいえ、とんでもないです。」


「そう畏まらずにお話ししていただけると嬉しいですわ。リアム殿もそう思いますでしょ?」


「何故、俺に振る?」


「おい、バカ。俺らの時とは違う。喋り方に気をつけろ」


「いえいえ、いいんですよ。むしろ仲良くしていただけたら嬉しいですわ。もしかしてお邪魔でしたか?」


アイリスはソフィー王女のスキルをバレないように読み取っているので対応に困っている。


そう、ソフィー王女の固有スキルには≪真実の瞳≫と記されていた。

このスキルは簡単に言えば相手の嘘が判る能力だ。


他の者が喋り出す前にリアムは口にした。

「邪魔ではないが、対応に困る。あんたもそれを承知で試しにきたのではないのか?」


ソフィーはリアムの言葉に驚愕するも嬉しく感じる自分がいた。


「そうですね。このスキルを知らない人に対して試そうとした私が浅はかでした。ごめんなさいね」


レイもリリーナもどう云う意味か解らず固まっている。

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