第3話 カクヨムの星爆
創作論でも書いたが、お返しを狙って他人の作品に星を入れまくる人がカクヨムにはいる。
以前とは別人だが、数日前わたしのところへまたまたお越しくださった。
たぶん、企画に参加したからだろう。そこで目をつけられたっぽい。
突然の星。一分間に十数話連続でのハートマーク。
速読というレベルではなかった。
企画に出した作品は、もう何年も前に完結した作品。べつにいまさら星がほしいわけでもない。そもそも底辺なので、いまさら増えたところで別にって感じだ。
ぶっちゃけ読んでないのは明らかなのでスルーしようと思っていた。
で、実際スルーしていたワケだが……。
本日ちょっとアカウントを確認させていただくこととなった。
理由はヒマだったから。
いや、ヒマというより現実逃避だろう。連載中の作品の続きを書かなきゃ、でも書くのメンドクセエなあ。そんな逃げの気持ちから、ついアカウントをクリックしてしまったのだ。
なるほど~。
すげえ数の評価をつけているなあ。アカウント取得日から考えると驚異的な数字が表示される。
星をつけた小説の欄をクリックすると、一日で200近い作品を評価しているのも分かる。
活動報告も読んでみた。星をつけてもらった方からのお礼らしき書き込みがあった。
なるほど、こうやって星を稼いでいるんだろうなあ。
ただ、活動報告には、気になる書き込みもあった。
評価に礼を述べながらも、一気にハートをつけたことに対する不快感を示している方がいた。
その方の作品を確認すると、やっぱり同時刻にハートが入れられていた。
(カクヨムではハートを入れた時間が表示される。一話も二話も三話も四話もぜんぶ同じ時間だった)
星爆君が他に評価を入れている作品も見させてもらったが、同じ。
レビューも書いているようだが、内容には触れず、文章だの雰囲気を褒めていた。もちろんハートも連打だ。確実に読んでいない。
すげー労力だな。
一日200作品に星を入れる。そして、中身を開いてハートをつけまくる。
けっこう時間かかると思うよ。
『そんなことに時間を使うくらいなら、作品を面白くすることに時間を使えばいいのに……』
なんてことは全く思わなかった。
上の『』で示したような感想は、この手の不正を指摘するエッセイでたびたび目にする。
しかし、わたしはそうは思わない。
効率を考えると、これが一番いいとさえ思っている。
作品を公開した人なら分かってもらえるだろう。
どんなに頑張って書いても評価されない。いくら更新しても読みさえしてもらえない。
一言一句、表現にこだわろうとも読み飛ばされる。
シナリオを練ったところですでに離脱した後だ。
何十時間、何百時間かけようとも、視界にさえ入らないのがWEB小説の世界なのだ。
それに比べれば、星やハートを入れまくることなど労力のうちに入らない。
でも、多くの人はその行為が良くないことだと分かっている。
やったところで、自分のためにならないと知っている。
だから、少しでも読まれるようにタイトルを考えたり、表現やレイアウトに頭を悩ませたりするのだ。
不正に走らず、少しでも自分の作品が面白い物語なるようにと努力するのだ。
そんな努力をする者だからこそ、不正をする者に対して厳しい目を向けるのかなあなんて思った一日でした。
※ちなみにわたしは自分がやっていることを努力だと思っていない。
やりたいからやっているだけで、しかもそれほど頑張っていない。
他にすることがないからやっているだけだ。
だから、そこまで腹が立たない。
そのうち誰か通報するだろ? ぐらいに思っている。
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