第2話 熊本城

「初めは王道から行くか。ここが熊本城!加藤清正が築城した城だよ!」

「とーちゃん!くまもとじょう、おおきいねー」

「わーい、おーきー」

「にゃーん!」


子どもたちとフェリダーさんが声を上げる。

とりあえず観光地1つ目は熊本城です!

……阿蘇か天草で悩んだけど時間的に厳しかったからね。

4人に聞いたらダンジョンには入ったけど城の方にはまだ入ってなかったらしい。


熊本城は『武者返し』と呼ばれる石垣が有名な日本三大名城のひとつ。

大天守、小天守と呼ばれるふたつの天守閣を持つ巨大な城。

現在は復元工事が行われて新たに櫓が立ってきている。

ちなみに二の丸広場の一角にダンジョンができている。

昔は大きな広場で春は花見をしながらバトミントンをしていたらしいけど、今はダンジョンを囲むように建物が出来ている。

ドロップ品、ショボイけどね。

入場料取られるし。


「The日本の城って感じだね。黒い屋根がクール」

「大きいわね!私が乗っても大丈夫そうだわ」

「け、ケルーの本体は大き過ぎるから、あ、あのサイズでも耐えきれないよ」

「あそこにある建物ってなに?結構綺麗にしてあるじゃない?」

「あー、あれは本丸御殿だよー。ここら辺だといちばん新しい建物かなー」


四つの太陽のメンバーが感想を呟く。

ケルーさん、アステカの神、ケツァルコアトルだもんね。

俺グーパンでぶっ飛ばしたらしいけど。

チャーリーさんが指さしたのは本丸御殿と呼ばれる施設。

昔、お殿様を迎えるために作られたゲストハウス的なやつらしい。

あんまり詳しくないから有識者に突っ込まれそうだけど気にしない!




大天守は階段で登れるから登ってみる。

ペット同伴禁止だったのでフェリダーさんは受付で待機……の予定だったけど。


「にゃにゃにゃ!それは殺生ですにゃー!ここまで来て中見れないのは悲しいですにゃー!」

「とは言ってもペットは中に入っちゃダメなのよ。一応国宝の文化財だし」

「エレベーターが真ん中にある文化財ってなんですにゃ……」


そりゃごもっともです。

けど、流石にルールを破ることはできません。

大人しく待っていただいて……


「あ、そうですにゃ!ドロリ」

「うわっ!フェリダーさん?!溶けてる!?」

「にゃにゃーん!最近子猫の姿が多くて忘れてましたにゃー。リキッドメタルキャットは溶けて色々くっついて移動できますにゃ!これで御館様にくっつけば入れますにゃー」

「……わーお。モンスター的解決策ー。くっつくのはいいけどくすぐったりしないでね?」

「もちろんですにゃー!いざ熊本城!にゃー!」


ドロリと液体になったフェリダーさんが服の中に入ってくる。

思ってたより冷たくないねー。

元気なことはいいことです……

もうモンスターであることは突っ込みませんよ。




最上階からは熊本市内が一望できる。

熊本、条例で設定してない割には熊本城より大きい建物ないんだよね。

一番近くて熊本駅の駅ビルと併設してるマンションだけど地上からの高さは熊本城より低いらしい。

無意識に熊本城を見下ろさないようにしてるんだろうか。

謎ですね。


「こういう歴史を見るのも楽しいものだね。ジャパンは内戦がここ100年ないんだろ?平和な国だね」

「……それ褒めてるんだよな?戦の神に言われると嫌味に聞こえるんだけど」

「流石に流石に。戦の神でも平和が1番だからね。戦が始まると死者を送る仕事が増えるから大変なんだよー。スペインが攻め込んできた時なんて本当に地獄だったよ」

「うーん、あれは大変だったわねー。毎日双方で死人が出て……向こうの神様もげっそりしてたわねー」

「戦争は人も神もダメージ受けるんだからアンタも戦を起こそうとしないようにね!マジで言ってるからね!」

「あ、あーさんはご飯を食べているのがい、1番ですよ。そ、それを忘れないように」


誰が戦争を起こすねん。

嫌ですからね!めんどくさい!


そんなことをワーキャー言いながら熊本城を楽しみました。

天守閣から降りたらおもてなし武将隊の皆さんがいたので写真をパシャリ。

俺がSSSランクの人だ!って気づかれ……ることも無くサクッと終わりました。

やっぱ俺人気ないんだろうねー。


まぁ今日はオフなので、気にしない気にしない。

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