第30話 グリーンブラッドスプラッシュ

 対するはゴブリン10体。ほっといたら好きなだけ増えやがって。にしても見た目が生理的に受け付けないな。これを今から倒さなければならないのかと思うと、うんざりする。話し合い一つでどうにか穏便に……まあ無理ですよねー。


デカハンマー片手に歩いて来た私に気づいたゴブリンは、武器を向け、グギャギャと叫ぶ。すると思わず顔をしかめた私に一斉に襲いかかって来た。私は、飛んできた矢を右にステップを踏むことで難なくかわし、先頭にいたゴブリンにハンマーを振るう。


バン、ピシャー


うっ、ちょっとグロすぎ。思わず目を背けてしまう。殺意高すぎない? この武器。 でもゴブリンはこれは好機だと迫ってくる。その顔はどこかニヤついていつ様に見えて……結果的に威力を調整する余裕もなく全てスプラッシュしてしまった。血が緑色なのもやばい。勝ちはしたけど喉の奥が詰まったような感じが取れない。ていうかどうしよう、この惨劇。R15指定間違いなしだよ。


 とりあえず臭いものには蓋、をしたかったけど出来ないから自ら洞窟の中に閉じこもった訳だけど。スーハー。あー落ち着く。絶対空気こもってるけど、外よりマシだね。あれは知らない。私、知らない。なんて現実逃避をしているとギルドカードからピロンと音がなった。何、こんな時に? 少々荒っぽくギルドカードを取り出して確認する。音が出るとしたらここからしかないからね。取り出す時に肘が当たってハンマが倒れた。


「えーっと?」


ランクがF→Eで、レベルが5+→10+に変わっていた。おーすごい。ひっさしぶりに見た気がする。ランクってこんな感じで上がるんだ。ほんとゲームみたい。それでスキルが、採掘速度(II)、採掘効率(II)、鑑定(鉱石)、暗視(I)、大槌術(I)。増えてる! 洞窟の中にいたから暗視が増えて、ハンマー使ったから大槌術が増えたのね。いいじゃん。テンション上がって来たよ。ならすることは一つ! ファームだああああああ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る