第5話 馬車にて

 アテ⤴︎ンション⤵︎プリーズ⤴︎あちらに見えますのが山。こちらに見えますのも……山。で、そちらに見えますのも……山。ふざけるな、山ばっかじゃねぇか。


そう、私は今馬車に揺られて絶賛移動中。何日か前にこの辺りに来てからずっと山。人工物らしきものは何もない。要するに暇なのだ。前世の比はないくらいに。だからこうやって1人キャビンアテンダントゲームに興じていた訳なんだけど。山しかないとねぇ。


ちなみに私が行こうとしている町は辺境にあって、馬車で約一ヶ月。ゲームとかでいうバイオームの境目でそこだけで色んな鉱石が取れるから行こうと思ったんだけどあまりにも遠い。


馬車は1日で約50キロ進むらしい。だから大阪から東京は道なりに約500キロだから馬車だと10日かかる計算だよね。そう考えると距離的にはそこまで遠いわけじゃないと思うんだけど。


50㎞×30日=1500㎞


んー分かんないや。途中休んだりするし、山とかは迂回するから直線距離はもっと短いと思うけど。てか馬車おっそ。1日8時間進むにしても時速6キロ強。確かに下の地面見たら進みが遅いのがよくわかる。


ふぁーぁ。寝よ。することがない時は寝るに限る。何かあったら護衛の冒険者さんよろしくー。ん? 私? 私は戦わないよ。だって武器持ったことないんだもん。それにグロテスクなのはちょっと……


私お箸以上に重いもの持ったことないもん。ごめん、それは流石に嘘。



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