第2話 初ファーム
さて、バブバブしてハイハイしてよちよちしてなんだかんだあって6歳になった。長い。6年は長い。ようやく自分の体をある程度自由に動かせるようになったけど、初めの3年くらいは本当にきつかった。まじで。
それは置いておいて、この歳になって分かったことがいくつかある。まずお父さんとお母さんは鍛冶屋さんをやっていて、ちょうど家の隣が鍛冶屋みたいだ。初めて聞いた時怖くて普通に泣いた。だって音が完全に戦の時のそれで、山賊でも襲いに来たのかと思ったもん。思うように体が動かせないんだから怖いに決まってる。
それで母に連れられ見に行って、なるほどねとなった。そこには赤い金属の棒を叩く父がいたからだ。石造りの薄暗い部屋の中で黙々と作業していて、私たちには気づいていないようだった。
そういえば前に、父に何かしたいことはないか? と聞かれたことがある。そこで、ファームがしたい! なんて答えられるわけないから、お父さんのやってることやりたいと答えた。
すると父に危ないから大きくなってから言われ、結局石を集めるところに落ちついた。ふふん、私の完全勝利。
それから父が洞窟へ行くときはいつもついていくことにした。
いつもゲームでやっていたことが目の前で起こるもんだから、それはそれは感動してしまって、疲れて立てなくなるまでやってしまい、毎回父におぶられて帰った。父は、手伝ってくれるのは嬉しいが、なぜか毎回帰る時には荷物が増えると苦笑いしていた。けど、毎回ちゃんと連れて行ってくれる良いお父さんだ。
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