第3話 おさない日の夏

かすかに残る夏のにおい

家族5人が一緒にいる


ほそぼそと続く川沿いの道

水面の底には赤土だろうか

蝉しぐれと紅葉が混在していた


日差しは透過と反射を繰り返す

光と調和した魚を写真に

収めようとしたが

うまくいかなかった


行く先にはゆったりと構えた滝

流れることしか知らない水は

しずくを木漏れ日に散りばめた


5人は季節を重ね

必然は別々の道を選ぶ


僕は色褪せることを知らないまま


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