【ポエムの樹に水を】〜詩集〜
如月信二
第1話 沈黙の戦士
僕はサイレントソルジャー
言葉を発することを忘れた戦士
今日も自転車は僕を運んでいく
ポツリぽつぽつ
小さな雨音が曲を奏ではじめた
サイレントソルジャーは
ただ静かに自転車をこいでいく
夢は叶えられていますか
友達とは友達でいられていますか
人を許せる自分になれましたか
自問自答という名のエンジンは
今日も快適だ
ドシャ バシャ ドジャース
突然に空は僕を裏切る
雨は抑えていた本気をだした
「チクショー なぜ5分ほどの道程でこんな目にあうんだ」
なんてことは言わない
僕はサイレントソルジャー
僕はアメリカ人でもないから
「ヨォ これでシャワーを浴びる手間がはぶけたぜぃ」
なんてジョークも思いつかない
ただ僕が僕であるために
傘はさしてはならない
戦士とはそうあるべきだろう
盾をかざす人が
ちらほらと出現しはじめた
僕の中ではドンキホーテが
槍を持って空に戦いを挑んでいる
雨宿りなんてする気はさらさらない
そんなことでこの歩みを止めてどうなる
馬鹿と無謀は紙0重
僕のジーンズと服はすぶぬれになった
5分だけの行進とともに雨曲は終演を迎える
ああ 今日はとても良い日だ
帰路に起こった演奏会は
僕の中のドンキホーテを教えてくれた
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