第100話 遺跡?
遂に100話目!
―――
突然現れた小さな小屋。
部屋と言っても丸裸であり、古い石で作られた遺跡のようなものだ。
ぼろぼろの木でできたドアが取り付けられており、恐る恐る開けてみると中には地下に通ずる階段が。
恐らく地下深くまで繋がっている。
リリスが中心のこの物語においてのボス。
それが最深部に封印されている。
「ルイ様、これは・・・」
アルス、レーナ、オールド、村長。四人全員が唖然とする。
「恐らく何かがいる、あるいは封印されている場所。しかも魔法が使えないあたり意図的に隠されている」
魔法を使う者たちから見えないようにする。そう理解できれば完全な精霊術士存在の証明となる。
このボスを倒すのは今から約三年後。
リリスが三年生になった冬に対峙する。
最後がどうなったかは分からないが、とりあえず壮絶な戦いだったはず。
そしてそのボスと今僕が倒せるかと言うと無理である。
今でさえリリスとは互角(認めたくないが)なのに、強くなった三年後とやりあえる化け物に叶うはず無い。
ましてや魔法が使えない以上戦うことすらできない。
「ルイ兄様、どうしますか?」
アルスが指示を求める。
さて、ここからはノープランだ。
あまり時間はないからな。
「よし、少し入ってみるか」
僕が歩き始めるとレーナが静止してくる。
「ま、待ってください!このような未知な所はあまりにも危険すぎます!」
「少し覗くだけだ。お前だって興味があるだろ?」
「そ、それは・・・」
何も言い返してこないということは同意と同じ。
改めて入ろうとすると、今度は村長が静止してくる。
「お、おい本当に入るつもりか若造!こんな神聖なるもんに入ったら―」
「罰が当たるとでも言いたいのか?だったら心配無い。別にこれは神様が作ったものではない、ただの人工物だ」
「だが!」
五月蝿いジジイだな。
「別に建石を壊したわけでも無いし、木を伐採しているわけでもない。ただ単純に調査に来ているだけ。調査ならいいと言ったのはそちらではないか」
僕が正論を言うと、村長は口を噤む。
「わしは帰る」
不貞腐れたように来た道を戻ろうとする。
「帰りは同じ道だ。勝手に帰ってくれ」
そう言い残し、トボトボと去っていった。
「さて、じゃあ、入りますか!」
五月蝿い奴もいなくなったし、気軽にいける。
僕は意気揚々と入っていく。
僕に続いて三人も入ることになった。
「何か不思議な感覚ですね。時が止まったような」
オールドが呟く。
「ダンジョンみたいだな」
僕の発言に皆が同意する。
「小さい頃、初めてダンジョンにルイ兄様と行った後は本当に怖かったですよ。もの凄く怒られましたよ」
一日中僕がいなくなったあの日の家は、慌ただしかったな。
「ルイ兄様、笑い事じゃ無いですよ」
ニヤける僕を注意する。
他愛もない会話をしながらどこまで続くか分からない階段を降りていく。
しばらく進んでいると、突如として開けた部屋に出る。
確かここはトラップ部屋。
この部屋の先に他へ続く廊下に出るが、代わりに部屋にある扉が中からは開けられなくなってしまう。
つまり入ったが最後、外に出れなくなってしまうのだ。
「おい、オールド。何かつっかえさせるものは無いか?」
「どうしてですか?」
「この部屋に入った瞬間、恐らく扉が閉まる。そして外に出れなくなる」
「なるほど、トラップですか」
オールドが納得したように頷く。
「でしたら問題なく。私でしたら閉まっても剣でこじ開けれますよ」
この脳筋が。
「本当に大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です」
まあ、こいつの力は分かっている。
信用してそのまま進むこととなった。
部屋に入ったと同時に後方で、ゴゴゴと音がする。
振り返るとすでに道は無くなっていた。
代わりに前方に扉が。
開けると別の通路が出てきた。
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