第67話 帰還

2022年6月5日、日曜日。


一時帰国から上海に戻ってきて94日目、ついにこの日がやってきました。


午前中にパッキングを終え、ロックダウン初期の4月5日から2ヵ月もの

間、お世話になったホテルをチェックアウトしました。


厳しいロックダウンの日々を、ホテルの中で一緒に過ごしたホテルスタッフの方々は、私の勝手な思い込みかもしれませんが「戦友」のような気持ちです。


フロントスタッフのみならず、通常の宿泊であれば個人的なお話をすることなど殆ど無いであろうベルボーイやハウスキーピングスタッフ、更には支配人とも、ロックダウン中ゆえに色々な話をすることが出来ました。


スタッフの皆さんも家に帰れず大変だった中、2ヵ月もの間、様々なケアをして頂いたことには感謝しかありません。


ホテルを出る際、いつもロータリーをお散歩する際にお話をしていたベルボーイには、「次回は平和な時に、普通に泊まりにくるね」と話しかけたところ、満面の笑みで送り出してくれました。


4ヵ月ぶりにアパートに戻り、先ずは上海赴任することが決まった際に餞別で頂いた、とっておきのお酒で祝杯!


さてさて、当面は4ヵ月かそれ以上前に購入して置き去りとなっていた、冷凍庫の中身を消費する生活になりそうです(笑)


こうして私の長い長い旅は、ようやく終わりを迎えたのでした。


次話からは、後日談として、ロックダウンが終わったあとの様子を少しだけ書き残しておきたいと思います。


宜しければ、今少しの間、お付き合い頂けますと幸甚です。

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