第34話 帰宅条件

2022年4月15日、金曜日。


入国43日目、ロックダウン15日目のこの日、コロナ蔓延を理由に中国入国以来ずっと帰れない状態だったアパートから連絡がありました。


「アパートが所在する地区の管理委員会に申請して認可が取れればアパートに戻れる可能性があります」


大変に有難いお申し出ではあるのですが…


然し、申請条件として「48時間以内のPCR検査陰性証明が必要」とあります。


現在滞在しているホテルでは感染者が出ていないことから、この時点では抗原検査のみとなっており、外部の病院を予約してPCR検査を受けるだけでも相当な苦労が伴う状態です。


また、コロナ封鎖されているアパートに戻ったら当面は外に出られませんが、2月中旬に一時帰国して以降2ヵ月近く部屋に戻っていない為、部屋には食料備蓄が殆どありません。


加えて、現在滞在している地区よりもアパートのある地域の方が感染者数が多く、ホテルよりもアパートの方が封鎖が継続する可能性が高そうでした。


総合的に考えて、今、無理してアパートに戻る方がリスクが高いだろうと判断し、戻る申請は見送ることとしました。


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