第24話 全市一斉PCR検査

2022年4月4日、月曜日。本日は全市一斉PCR検査日です。


上海は「市」といっても「直轄市ちょっかつし」であり実質は「省」と同じで、人口は2千数百万人。この人数を1日でやってしまおうというのですから、驚きです。


然し流石に突然決まった為か、昨日言われていた朝6時半にホテルロビーに降りると、「時間が変更になった。順番になったら部屋に電話する」とのこと。


9時になって漸く電話が来たので再びロビーに降りると、防護服を入れた段ボールが山積みになっていました。昨日から同じホテルに宿泊している、医療援助隊という他地域から上海にPCR検査支援に来た方々が使用するためのようです。


ホテルロビーに30分以上、そこから歩いて検査会場で更に30分以上並んで、漸くPCR検査は完了しました。


色々と混乱はありつつも、昨日発表して今日やってしまうのは中国の底力ではあります。然しこれで陽性者が多数発見されて、再び随所で封鎖が延長されると思うと、そんな底力は不要だと感じなくもありません。


ところで聊か気になったのは、中国地場報道にて地方から来られた医療援助隊を「長征ちょうせい」と呼んで賞賛しまくっていること。「長征」とは、国民党に敗れた中国共産党が、1934年から1936年にかけて12,500kmを徒歩で移動した、革命の偉大なる歴史として語られている出来事です。


この手の活動を革命になぞらえ始める様子に、文革的な香りを感じざるを得ませんでした。

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