僕の弱みを握った爆乳ギャルが、「挟んでみる?♡」と誘惑してくる

かにゃびぃ

第1話 ビッチギャルと二人きり♡

 これは、ある程度年を重ねた人なら誰もが頷く、周知の事実。

 ……だと、思うのだけど。


 何かしらの作業を進行する状況において、「環境音」という要素は極めて重要だ。


 例えば、校内の図書館や放課後の空き教室。

 まるで外界を遮断したような静けさは、読書や勉強を進めたいときに最適だ。

 更に「作業用」と銘打った、ゆったりと落ち着いた曲調のBGMなんかは、動画配信サイトで何百万回と視聴回数を稼ぐほどに、昨今の需要が高まっている。


 ……その反面、集中を搔き乱す環境音なんかも存在する。


 複数人の話し声、自動車が放つエンジン音、建設工事中の土地から鳴りやまない機械音。

 これらが雑多に取り巻く場所なんかじゃ、集中力を要する作業なんて到底できるわけがない。

 そう言い切れるほどに、何かしらの作業の進捗に於いて、「聴覚」というのは非常に重要な感覚なのだ。


 ……さて。

 何故突拍子もなく、こんな前置きをしたのかというと。

 かくいう僕―四季拓斗しき たくとも、現在進行形で集中を乱されている状況にあるからだった。



「ねぇーえ、たくちん♡ナニ気難しい顔してんの?♡」

 むにゅっ!♡


「ひぅっ!?あ、網谷さん……!?」

 甘い声とともに突如背中にのしかかる二つの柔らかい衝撃で、僕は正気に戻される。


 ここは、校内の隅に設けられた自習室。

 その中の一つの席に座って現実逃避をしていた僕の背後に、校内一の爆乳ギャル―網谷あみやくらりが、可愛らしくにやけながら重心をこちらに傾けていた。

 

 彼女こそが、甘い囁きと過激なスキンシップを以てして、僕の集中を掻き乱しにかかる張本人だ。


「あはっ♡女の子みたいな甲高い声出しちゃって♡たくちんかーわい♡」

「か、可愛いって……!」


 むにゅむにゅっ♡

 ふにゅっ♡

 奇声をあげてしまったことを弁明しようとするも、背中に押し当てられた柔らかく、重いものに意識を逸らしてしまう。


 それは、彼女の胸にたわわに実る豊満な乳房―俗にいう「おっぱい」だ。

 校内一、二を争うほどのボリュームを誇る超乳肉。それが惜しげもなく背中に押し当てられることで、オスとしてどうにかしてやりたい本能が、沸々と胸中に渦巻く。


「…………あ~~、たくちん♡鼻の下伸ばしちゃってる♡」

「っっ!!?」

 悪戯っぽくにやけるくらりからの指摘に、僕は慌てて口元を隠す。が。


「慌てることないよぉ、たくちん♡オトコノコは皆ぃ~んな、大っきぃおっぱいがぁ、大好きだもんねっ♡」


 むぎゅぅうっ♡♡

 隣の席に座ったくらりは、煌びやかなネイルが並んだ両手で、己の爆乳を寄せ揚げる。


 むちぃいっ♡

 はだけたワイシャツの襟から覗く谷間はより一層深くなり、出来上がった淫らなY字の深淵に僕の目はくぎ付けになる。


「……っ!だ、ダメだよこんな事!!僕たちは校舎の一室を借りて、自習に取り組んでいるんだからっ!」

 一抹の自制心を取り戻し、勇気を振り絞って目を背ける。が、


「え~~?♡そんなに顔真っ赤にしてぇ♡ホントは私と、エッチなこと……したかったんでしょ?♡」

 頬をほんのりと紅潮させたくらりの笑みは、無邪気な子猫のようで、こちらの思考を見透かした淫魔のようでもあった。


「だってぇ、たくちん♡マジメな模範生徒のふりをしておいて、を学校に持ってきてたでしょ?ヘンに取り繕わなくってもいいから♡」

「っ!ちっ、違う!は、本当に手違いで……!」


「イイんだよ、たくちん♡アタシたくちんのこと、他の男なんか目じゃないくらいに、だいだい大好きだもん♡アタシなら、たくちんがシてみたいエッチなこと、なぁんでもシてあげられるよ……?♡♡」


「……ッッ!」

 輝く唇から紡がれる甘いささやきに、危険信号を捉えた僕は反射的にのけ反る。


 煽情的にとろんと下がった目尻に、情に訴えかけるかの如く潤んだ瞳。紅く上気した頬と、プリンと瑞々しい唇。


 この顔を、僕は知っている。

 男精を今まさに貪らんとする、「メス」の顔だ。


「ぼっ、僕は!『高校生の間は不純異性交遊はしない』って決めて……!!」


「え~~~?♡エッチなことシた方が、ずぅっと楽しいし気持ちいいよぉ♡こぉんなに柔らかい私の♡Kカップおっぱいをぉ、むにゅむにゅ♡って揉んだり♡ちゅぱちゅぱ♡って吸ったり♡ぐにゅうっ♡って挟んだりするの♡たくちんも、興味あるでしょ?♡」


 むにゅむにゅっ♡

 ぐにぐにっ♡

 むぎゅぎゅっ♡


 くらりは細くしなやかな両手で、己の爆乳を淫らな形へと揉みしだく。

 薄生地に包まれた柔肉が形を変えるたび、理性が蒸発しつつある脳内は、今にも蒸気機関車の如く暴走してしまいそうだ。

 童貞には余りにも過激な光景に目を奪われながらも、僕は熱を溜め疼き続ける下半身の制御に務める。


(どうして、こんなことに……!!?)


 熱暴走で溶解しそうになる思考回路の傍ら、僕の脳裏に浮かぶのは……僕がこの学校に転校してからしばらく経った、ある日のことだった――。






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