第4話 転生④

不景気によく知る五・一五事件、二・二六事件や血盟団事件などの概要が俺の知らないところまで記憶にある。しかも新しい。


「何なんだ......。」


本当にどうなっている。


そして更に驚きなのがなんと魔法や聖剣、ダンジョンらしき非現実な記憶まであるのだ。


俺は混乱してめまいが治まったのにまためまいがしてきた。


取り敢えず顔を洗おうと洗面台へ向かおうとするが肝心の場所が不明だ。


突っ立っていても何も変わらないので手探りで探していく。


意外とこの家は広く探すのにも時間がかかる。


壁に手を当て一つ一つ部屋を確認していく。


「ここは物置」


「ここはトイレ」


「ここは階段」


「ここは......。」


そしてマジで倒れそうになったときだった。


「あっあった......。」


洗面台をやっと見つけた。


俺は直ぐに蛇口をひねり水を出して顔に水をぶっかけた。


ああ、スッキリする。


俺は顔を上げた。


そして鏡を見て絶句した。


誰だ。


鏡に写っていたのは俺の知らない黒髪イケメンが死ぬほど驚いているところだった。


「え?」


まとまろうとしていたものが再度崩れていく。


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