(7)

 そして、大慌てで王宮に戻り、大慌てで第2王女のペットの鳳龍達を探し出し……。

 例の隠し扉を開けて……。

「あ……あの……その子達に、王女様を探してって言って」

「今気付いたんだが……こいつらに、その『王女様』をどう説明すればいい?」

「飼い主」

 草原の民の女の子は、鳳龍達に何かを伝えたけど……。

「がじっ?」

「がじぃ……?」

 何かが変だ。

 鳳龍達は顔を見合せて困惑気味。

「こいつら、自分達が人間に飼われていると認識していなかった」

 再び、草原の民の女の子は鳳龍達に何かを言って……。

「がじがじ……っ?」

「がじぃ……? がじぃ……?」

 またしても、何かが変だ。

「すまん。どうやら、こいつらは……その『王女様』と侍女達の区別が……あんまり付いてないようだ」

「あの……この子達……人間をどう思ってるの?」

「友達。ただ、個々の人間の区別はイマイチ付いてないようだ」

 サティさんは……顔を上に向けて「駄目だったか」的な表情。

 待てよ。

 ここから居なくなったのは……。

 第2王女。

 お嬢様。

 あと……あ、マズい。ラートリーに「ここから出すな」って言われてた、あの子も……。

 そうだ。

「一番大好きな人間の友達を探して、って言って」

「判った」

 そして、草原の民の女の子が鳳龍達に、そう言った瞬間……。

「がじっ♪」

「がじっ♥」

 鳳龍達は隠し通路に飛び込んだ。

「やったぁッ‼」

「追うぞッ‼」

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