第2章:四角い恋愛関係
(1)
「おい、サティ、何で、こいつを連れて来たぁッ‼」
隣国の王子様への抑止力として連れて来たラートリーって女の子を見た途端、女騎士さんがブチ切れた。
「いや……その……色々と有ってな……」
「大体、お前の一家は、こいつのせいで斬首されかけただろうがッ‼」
「何やったの……?」
「妹と色々とな……。って、何で、私の家の問題で、あんたがブチ切れるんだ?」
「うるさいッ‼」
「姉貴……まさか、あいつ、私の親類の誰かとデキて……」
「うるせえッ‼」
駄目だこりゃ、って感じで、手で顔を覆うラートリー。
「あと……王宮内では私が持って来た服でいいか? 一応、礼服だ」
「何で?」
「こんな動きにくそうな服を着ろと? 阿呆か?」
そう言って指差したのは……ボクのメイド服。
「どんな服を持って来たんだ?」
「ちょっと待ってろ、着替えてくる。一応、礼服だ」
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