(12)

 そして、夜は明け、時は過ぎ……朝御飯を食べ、身支度に軽い打ち合わせをしてる内に……太陽はどんどん高くなり……昼食は昨日のより豪華だった。

 ただし、王様・王妃様も臨席。

 ボクは後ろで見てるだけ。

 お嬢様も迂闊に食べられない。

 食事なのに飾り……だって……。

 ついに、隣国の王子様と初めての面会だ。

「神聖王国、第一王子にして王太子たるオットー殿下の御成にございます」

 衛兵のその声と共に、入ってきたのは……。

 お嬢様は……「えっ?」という表情かおになった。

 多分、ボクもそうだろう。

 王子様と……その御付きらしい騎士は……しばらく、お嬢様の顔を眺め……顔を見合せ……。

 うん……この状態で、昼食食べても……味も何も判んないよね……。

 王様と王妃様は……若い2人が緊張してると思ってるようだ。

「な……なんとも……お美しい……まるで……えっと……その……」

「は……はい……ありがとう、ございます……」

 向こうの御付きの騎士と……一瞬、目が合った。

 こいつが、どんな奴なのか……知った事じゃないけど……。

 でも、ボクと、こいつの間には……何て言うか……世にもロクデモない絆のようなモノを感じざるを得なかった。

 友情でも恋愛でも好敵手でもない……どう呼べばいいのかさえ判らない意味不明な絆。

 ボクとお嬢様は……隣国の王子様に既に一度会っていた……。

 そう……

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