(11)
「あ〜、美味しい食事に……温かくて広いお風呂……フカフカの布団……ずっと、このままでいたい……」
夜になると、お嬢様は……恋する乙女みたいな
頬っぺたも真っ赤だ。お酒でも飲んだみたいだ。
何に酔ってるのかとか、恋の相手が何かは考えたくも無いけど。
「いつかは終りますよ。行きたいんですか?
「
「で、どうしたいんですか、お嬢様は? まだ、王様達も、あの2人も、この素人芝居に、どんなオチ付けるか考えてないみたいだし……」
「問題は……どれ位請求するかね……」
「えっ? 何を言ってんですか?」
「口止め料」
「あ……あの……」
「王宮からすれば端金。でも、ウチの実家にとっては大金。それを見極めないと……」
「あのですね……」
「欲張り過ぎると、絶対に、一族ごと消されるし……どうしよう……」
あの魔法使いの言った通りだ。
お嬢様が、もし、どこかの領主になったら……名君かクソ野郎かのどっちかだ。
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