第10話 取ってちゃぶ台

凄く忙しく、みんな気が立っていました。

フロアはまるで戦争のような雰囲気です。

私はひとり、のほほんと仕事を進めていました。

両手がふさがり、ものが取れません。

近くにいる人に取ってもらおうとしましたが、その人も気が立っている様子でした。

普通に言っても取ってくれないだろうと思い、真面目な顔でこう言いました。

「そこのシート、取ってちゃぶ台」

その人はすぐに取ってくれましたが

「真面目な顔でギャグ言うんだね」

と言われました。


ほんの少し、フロアは和みました。

めでたし、めでたし。

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