琥珀の瞳は瑠璃を映す カルジャスタン従神記

結城かおる/角川文庫 キャラクター文芸

 ──さて、ご存じだろうか。

 神は天と地とあまたの動物、そして人間をお造りになったあと、このか弱い人間たちを導き、守る存在が必要だとお考えになった。

 そこで、「従神者」と呼ばれる特別な人間と、「神獣」という聖なる獣を生み出された。

 神獣の種類は、竜、ほうおう有翼獅子グリフインりんなど多岐にわたる。

 従神者はこの世に生まれ、成人すると自分と同じ「神紋」を持つ神獣を召喚して一対となる。彼らは神の定めた運命によって結ばれ、そのきずなの強さは親子のようであり、はんりよのようでもあり、生涯離れることはない。

 従神者は時に王として時に英雄として、神獣とともに世界を守り、人々を助け導いてきた。

 そして、今からお聞かせするのも、そんな一組の従神者と神獣の物語──。

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