夏の終りに、あの場所で……

Phantom Cat

プロローグ

”コースケくん、わたし、もう金沢に帰らないといけないの……”


”そっか……マナちゃん、だったらさ、また来年、ここで会おうよ。ね?”


”来年……?”


”うん。そしてさ、その次の年も、その次の次の年も……毎年この日、ここで会おうよ。約束だよ”


”……わかった。約束、ね”


 そう言って、マナはふんわりと笑う。彼女の麦わら帽子が、風に揺れた。


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