古代オリエントの宗教/青木健
ゾロアスター教教祖の名前やグノーシス主義が何の説明もなく出されるなど、序章からかなりのかっ飛ばし具合に期待が高まる。
宗教の説明ってどうしてもつっこみたくなる部分というのがあるものですが、この本はリスペクトしつつもつっこみの目線を忘れておらず
「そこは深く追及してはいけないらしい」(p35)
「伝承に欠落があるような気がするが、定かではない」(p45)
「イエスのこととなると異常にフレキシブルになるマーニーは」(p69)
「何とも無責任な最高神であった。なお、このような崇拝し甲斐もなさそうな神にもかかわらず、」(p95)
みたいな調子なのでとても楽しく読める。
知的好奇心はもっとお気楽な気分で満たしていいものだよな〜と思います。
おかげでマンダ教のことちょっと好きになった。日本で一般的な会社員をやる人生でマンダ教のことちょっと好きになることあるんだ。
もともと興味のあったゾロアスター教のことはますます好きが加速した。火を崇める宗教ってそもそもかっこいいのだが(疼く厨二病)、土着の民間信仰でカリスマ指導者的な存在がいないまま広がっているのもおもしろくて惹かれる。私は土着の民間信仰の宗教が一番好みだな(宗教の好みとは)。
イスラムのあたりなどは、これだけで分厚い一冊になるはずで、それをこの一章分にまとめるのはかなり思い切った作業だったと思う。
でも私のような超初心者の入門としてはありがたい。
一冊まるまる何かの専門だとなかなか入りづらい分野の話も、こうして他と絡めてもらえると入りやすいし全体が想像しやすいので。
政治史ではない歴史って本当におもしろいのでもっとどんどん読んでいきたい。
特に古代史、宗教史は伝説と史実が混ざっているのもロマンだし、時間の進みが数百年単位なのも壮大な気分になれて良い。
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