あなたへ

シキウタヨシ




夏という字をどこかに見つけるときみの笑顔を思い出してる


ひまわりの咲いてる午後だそうでしたきみの生まれはどんなでしたか


「ふたたん」と名を付けました数日も違わないぼくときみの誕生日に


明日生きることがつらいときみは言う 海に行こうかただ海を見に


どんなにか今日がつらくともきみがいる世界がこんなに素晴らしいんです


始まりは一首の返歌 眼裏にありありとあるあの日の光景


花であれ もしきみが花であるならば 万人の内に咲く花であれ


     *


既読さえ付かないきみが遠くなる気がして二回名前を呼んだ


杞憂だと思わせてくれ頼むからひとり泣いたりしないでいてくれ


届かない手を伸ばしてるようなんだ いつでも掴んでいいんだからね


約束をぼく覚えてるよ海に行くんだろいつでもいいよ言ってよ


会えるのを楽しみに待っていますからいつでもぼくはここに居ますから


くその付く生真面目なきみだからこそがんばりすぎてしまうんだろうね


無理をして笑ってるきみは見たくないだからゆっくりいまは休んで


逃げたっていいのにきみはいつだってぼろになるまで立ち向かってゆく


たった昨日出会ったように変わらないきみの性分 ぼくもそうかも


透明な真水みたいなきみでした いまはちょっぴり波立ってるけど


世間にさぁ迎合することないんだよ いいじゃんきみで いいじゃんぼくで


レッテルを貼られちゃうのも今さらでそれでもきみは変わらないだろう?


そんなこともう全部どうでもいいからさ海へ行こうよサンダル持って


シーグラス見つけるのぼく上手いんだ 持って帰ってよ 何かの証に


思い出して きみの世界は広いこと きみの世界は美しいことを


まだあるよ いつか言ったよねきみの席ぼくの隣に空いてるんだって




/了

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