第5話【セリフ】「鳥籠ノ月蝶奇譚(とりかごのげっちょうきたん)」(2023/11/23(木)Lit.Link投稿/元メモも2023年11月23日(木)作成)

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ねぇ、鳥かごの中が空(うつ)ろだと思ってた?

閉じ込めるものを入れるために、空っぽに作ってあるから、と。

たしかにそうなのかも、ううん、そうだったのかもしれない。

でもね、だからこそ今は……ほら、月を閉じ込めちゃった!

蝶たちもそれを祝福してくれているわ♪


……って、単に、蝶たちが舞う中にいい感じに横座りポーズをとった私、のアクリルスタンドを入れた鳥かごを、月に向けて掲(かか)げて、鳥かごの中に見せかけの大きさの月が収(おさ)まるように調整しただけだけど。


これ、見本の写真を撮って、別に月だけでも写真を撮って。月の写真のほうは鳥かごの大きさに合わせて引き伸ばしてパネルにしてセットにしたら、アート作品として売れるんじゃないかしらね?

っていうか、もう私のグッズのひとつとして作って売ってるんだけど。


え?知らなかったの?私、Vライバーやってるのよね。

「赤い目の魔物」と呼ばれる、アルビノで引きこもりの私だって、外に出なくてもいいVライバーならデビューできちゃうわけよ。

良かったら、これ買ってくれて良いのよ?


『Moonlight and butterflies in a hollow birdcage.(ムーンライタン(ド)・バタフライジ・ナ・ハーロゥ・バー(ド)ケイジ)(空ろの鳥籠の中の月光と蝶)』


で検索、検索ぅ~♪


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これは、「赤い目の魔物」と呼ばれた少女……もしかしたら見た目よりも年を重ねているかも?「魔物」だから……が、虜(とりこ)=色々な意味での「エサ」を集めるためにVライバーになって活動したら、想像以上に人気が出て、自分のグッズまで作って売って。

実体があるんだ、と思わせたところで突然、何の前触れもなく消えて。

人々の心の中に、戸惑いと、すべては幻(まぼろし)だったか?という空(むな)しさを生じさせるまでがシナリオの、物語。


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