ヌルッとした告白ってどうなのよっ⁉︎ねぇ⁈まぁいいか♡

猫の集会

それって…

 オレは高校一年生、翔一しょういちという名前だ。

 

 そして、オレの隣でボリボリ背中を掻いているのが幼馴染の理乃りのだ。

 

「ねー、翔一〜そのお煎餅とってー」

 

 …理乃は、別々の高校に通うようになってからもオレの部屋に入り浸りおやつを食い散らかしてゲームをする。

 

 

 で、よく理乃は親友の美紀夜みきやちゃんの話をするのだ。

 

 そして最後にいつも美紀夜ってかわいいでしょとか、面白いでしょ?という。

 

 とにかく親友が大好きらしい。

 

 

 そんな休日を日々過ごしていたある日、理乃が

「郊外学習どこ行くの〜」

 とあまり興味なさそうにゲームしながら聞いてきた。

 

「あー、オレあんまり寒いの好きじゃないんだけどさ、スキー」

 と答えると理乃は、いきなりオレを見て固まった。

 

 そしてまんまるな目で、まばたきもせずに数秒固まっていた。

 

「おーい、理乃〜」

 オレが理乃の前で手をサワサワ振ると、なにかの呪文が解けたかのように我にかえる理乃。

 

「えっ…そ、そんなダメだよっ!」

 と理乃は、いい帰ってしまった。

 

 え?

 何がダメだった?

 

 校外学習どこ行くのって聞かれたから答えただけ…なんだよね?

 

 え?オレなんか変なこと言った?

 

 スキーは、ダメなの?

 ん?

 スノボも選べるけどって教えた方がよかった?

 

 

 …

 

 ?

 

 

 その日以来理乃は、オレの部屋へと来なくなった。

 

 理乃のおばさんの話だと、バイトを始めて忙しいのだそうだ。

 

 

 

 …

 

 そう…なんだ?

 

 …

 

 それから一ヶ月もオレは理乃をみるとこすらなかった。

 

 

 これは…なんか、ただバイトが忙しいわけじゃなくないか?

 

 おかしいなと思い電話してみたが、でない…

 

 折り返しすらかかってこない。

 

 …

 

 なのでオレは理乃の休みをおばさんから聞いて直接理乃に理由を聞いてみることにした。

 

 コンコン

 

「あー、美紀夜…勝手に入っていいのに」

「いや、オレ…翔一」

 

「はあっ⁈な、何?なんの用…わたしこれからバイトで…」

「ウソつけよ。今日バイト休みだろ」

「ゔっ…そ、それは…」

 

 どうにかこうにかオレから逃げようとする理乃を逃すまいと壁ドンならぬドアどんをしてやった。

 

「オレ、なんかした?」

「えっと…そ、それは…」

「うん、なに?」

 

「あのー…美紀夜が…」

「美紀ちゃんがどうしたの?」

 

 …

 

「その…美紀夜がさ、この間まで翔一を好きだったんだけど…その…合コンで運命的な出会いしたからって彼氏ができてさ…、んで付き合い出したってこと…だけどさ…だからってさ…ね?」

 

 ?

 え?

 

 あれ?

 オレは告白されてもないのに、挙句に振られてる?

 

 好きでした。でもさようなら。的なことを一瞬で早送りされた的な?

 

 まぁ、告白されても…ごめんなさいだったんだけどね。

 

 だって…オレはずっと昔から理乃が好きなんだからさ。

 

 

 てかさ⁉︎

 なんの話をされたわけっ⁉︎

 

「あのー…、なんの話?」

「だから…そんな心の準備とかあるし…」

 

「え?」

「だって…この前…いきなり告白してくるから…わたしのこと好きって…」

 

 はっ⁉︎

 オレがそんなこと…いつ⁉︎

 

 え⁉︎

 

「待って、それ…ほんとにオレ?」

「う、うん。言ったじゃん!好きって」

 

 …え?

 

 いつ?

 

 …

 

「それさ…夢とかじゃなくて?」

 

「えっ?あー…なるほど。タイムオーバーですね。で、夢にしようってわけね」

「いや、違くて…だって…オレそんなこといつ言ったっけなぁなんてさ…」

 

「もしかして、美紀夜がいまさら好きになったとか?」

「いや、美紀ちゃん関係ないじゃん?」

「あるよ‼︎」

 

 ⁉︎なぜに⁇

 

「美紀ちゃんがどう関係してくるわけよ?」

 

「だから…、ずっと翔一に美紀夜をお勧めしてたじゃん。美紀夜が翔一推しだったから」

 

 …あー、あれはそういうことでしたか。

 

「で?」

 

「そんなときに翔一がわたしに好きっていきなりぶっ込んできたから…だからわたし…わたしは、自分の心に蓋をしてまで美紀夜を優先してきたのに…美紀夜彼氏できて…だからもう蓋外してもいいってなったけど…タイミングがさ…」

 

 えっ?

 蓋をしていた?

 で、それを外す?

 

「あのー、それって…オレのこと好き?なの?」

「そうだよ…ずっと前からさ…でも…告白取り消しなんでしょ?」

 

 

 …

 

 告白…してないけど、もちろん取り消しするわけもないっ‼︎

 

「マジかよ〜‼︎オレも理乃が好きだよ」

「そんなの前聞いたし」

 

 …

 

「で、オレいつ理乃に告白したんだっけ?」

「校外学習どこ行くのってきいたらいきなりさ、あのー、オレいきなりなんだけどさ、好きーってさ」

 

 え?

 

 マジか…

 

 スキーと好き聞き間違いしてんじゃん。

 

 ま、結果オーライか。

 

「オレさ、理乃が好きだよ?」

「うん、もう何回も聞いてるから!」

「ハハッ、だな。」

「うん、そうだよ。でも、これからは…いきなりの告白とかびっくりするからやめなよね?」

「はい!わかりました‼︎じゃあ、オレたち付き合うでいいよね?あ、今のうちに言っておくね。新婚旅行は、スキーね。」

「うん。付き合うまではいいけど…新婚旅行スキー?え、なんで?」

「それは、後で教えてあげる♡」

 

 

 

「理乃、大好きだよ」

「わたしも大好きだよ」

 

 

 チュ〜♡

 

 

 おしまい⭐︎

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